事務作業を効率化する7つの具体策と業務改善に役立つツール

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コスト削減や生産性向上を実現するための手段として、事務作業の効率化に取り組む企業が増えています。不要な作業の削減、ツールの活用など取り組み方はさまざまですが、いずれもポイントを踏まえたうえで、正しい手順で行うことで成功につながります。事務作業を効率化する具体策やツールについて紹介します。

目次

  1. 事務作業を効率化する7つの具体策
  2. 事務作業の業務改善に役立つツール
  3. 事務作業を効率化するメリット
  4. 事務作業を効率化するときの手順
  5. まとめ:事務作業を効率化して業務の無駄をなくそう
 

1.事務作業を効率化する7つの具体策

事務作業は企業にとって不可欠な業務である一方、直接利益にはつながらないノンコア業務のため、できる限り無駄をなくして効率化することが求められます。効率化する方法は手軽に取り組めるものから、コストや手間がかかるものまで多様です。代表的な方法として以下の7つを紹介します。

ⅰ. 業務を見直して削減する

業務を見直すことで無駄な作業を見つけ、削減する方法です。なくしても支障がないプロセスや、業務を実行するうえで不要な作業などが削減の対象です。従業員は定型的な作業についてはあまり意識せずに行いがちなため、まずは業務内容を可視化してから削減可能なものを発見します。

たとえばイベント会社で、会場で配布するカタログを製作する際に、出展社からメールで送られてくる製品情報を入稿システムに入力し直していたとしましょう。業務を見直したところ、メールから入稿システムへの転記作業に加え、入力ミスを防ぐためにプリントアウトして複数人でチェックする作業が無駄だと判断しました。解決策として、出展社が直接入稿できるよう入稿システムの機能を変更すれば、無駄な転記やチェック作業が削減され、ヒューマンエラーの心配もなくなります。

ほかにも、業務連絡を行うだけの社内会議を廃止する、誰も確認しない報告書の作成をやめるといった方法があります。複雑な工程を単純化するといった方法も有効です。

ⅱ. 業務の代行サービスを検討する

経理や総務、コールセンターなどの業務は、アウトソーシングする選択肢もあります。専門性を持った業者に依頼することで、自社で行うよりも業務品質が向上する、効率化されるといったメリットが期待できます。新たに人員を雇う必要がないため、人員の教育コストが不要になる、採用業務の負担が軽減するといった点も見逃せません。アウトソースできる業務は外部に任せてしまうことで、従業員はコア業務に注力できるようになります。

ⅲ. マニュアルを作成する

マニュアルを作成し、共有することで、誰が行っても同じように正しい手順で作業でき、品質のばらつきもなくなります。属人化の解消にも効果的です。

ベストの方法を全員で共有するため、作業時間の短縮や業務品質の向上にも役立ちます。新人や後任者に業務を教える際にも手間をかけずに効率的に教えられます。担当者の休職や退職時にもほかの人員がスムーズに対応できるため、引き継ぎがうまくいかずに取引先などに迷惑をかけることもありません。 マニュアルの作成や更新、管理に手間がかかるというデメリットもありますが、最近ではマニュアル作成を支援するサービスや動画マニュアルを手軽に作成できるツールなども登場しています。ツールを活用するとマニュアル作成の手間を削減でき、業務効率化の効果がさらに高まります。

ⅳ. 使用するPCやディスプレイを見直す

事務作業の多くはPCを使って行います。そのため従業員が使うPCやディスプレイ(PCモニター)を改善し、作業しやすい環境を整えることで作業時間の削減が可能です。たとえば入力作業が多い部署では、PCモニターを2つ設置するデュアルディスプレイにする方法があります。シングルディスプレイに比べてファイルの切り替え作業がなくなる分、作業効率の向上が期待できます。

複雑な作業を頻繁に行うとPCがフリーズする、Web会議ツールを利用すると待ち時間が発生する、といった問題が発生している場合には、PCのスペック不足が考えられます。スペックの低いPCはトラブルが多く、業務効率化を阻害する要因となる可能性があります。言い換えると、業務内容に適したスペックのPCを利用するだけで、作業がスムーズになり効率化につながります。

ⅴ. 作業者の強みを活かす

従業員の得手不得手を把握し、適材適所に配置することも効果的です。限られた人的資源を有効活用できます。仕事をえり好みするわけではなくても、どうしても自分の不得意な作業は成果がでにくかったり、はかどらなかったりします。人事部門や上長と相談したうえで、本人の適性にあった業務に配置することで、業務の効率化が期待できます。

適材適所の配置を徹底すると、従業員は自分の能力に合った業務を担当できるため、高い評価を得やすく、モチベーションが向上します。離職率の低下にもつながるでしょう。

ⅵ. ペーパーレス化に取り組む

ペーパーレス化とは、従来紙の書類で管理・運用していた資料や帳票をデジタル化する取り組みです。保管場所の削減、印刷費用・郵送費・トナー代といったコスト削減に加え、デジタル化することにより利便性や検索性が向上し、生産性の向上や業務効率化にもつながります。

すぐに取り組めるペーパーレス化には、たとえば会議資料の配布をやめてデジタルデータで共有する、FAXはプリントアウトせず画面で確認する、といった方法があります。

ⅶ. 業務効率化ツールを導入する

ツールを導入して業務効率化を実現する方法です。身近なものでは、エクセルVBAやGoogleスプレッドシートなどを活用して集計作業を自動化する方法があります。

営業活動を効率化するMA(マーケティングオートメーション)ツールも、多くの企業で導入されています。見込み顧客を一元管理する、特定の行動(例:ホワイトペーパーのダウンロード)をした相手にメールや電話でアプローチするなど、営業担当者が手作業で行っていた業務を自動化するツールです。作業効率化だけでなく最適なアプローチによる成約率向上にもつながります。

ほかにもCRM(顧客管理システム)やSFA(営業活動支援システム)、クラウド型で提供されるサービスや機械学習を活用したツールなどが多数登場し、業務効率化に大きな効果を上げています。詳しくは次項で取り上げます。

2.事務作業の業務改善に役立つツール

ツールの導入により今まで人の手で行っていた作業を自動化し、事務作業の効率化を実現できます。デジタル化を進めることは、業務改善に役立つだけでなく、長期的には企業がDXを目指すうえでも役立つはずです。

ここでは高い効果が期待できる6種類のツールを紹介します。自社のニーズを踏まえたうえで、費用対効果を考慮して導入を検討しましょう。

本人確認書類回収システム


本人確認が必要な際に、健康保険証や運転免許証といった本人確認書類のコピーを窓口に持参してもらう、または郵送してもらう作業が発生します。本人確認書類回収は、提出依頼から始まり、書類の精査や不備があった場合の督促など業務負荷が大きい作業です。書類のコピーや窓口への訪問、郵送の手間が発生するため、書類を送付する側にとっても負担は少なくありません。場合によっては業務に遅延が発生する、従業員からの不満が生じるといったリスクもあります。

証明書類をアプリやWebブラウザで収集できるシステムを導入することで、業務時間の削減や書類取得までのリードタイム短縮が可能です。特に紙の書類をチェックし、システムへ入力する作業を自動化することにより、大幅な効率化が期待できます。書類を送付する側にとっても、送付の手間が簡素化され、手続きがスムーズに進むことで利便性が向上し、顧客満足度アップにつながります。書類回収率の向上にも期待できます。

関連サービス

証明書類Web取得サービス
Webのみで本人確認書類回収完了し業務の効率化を実現!申し込みに必要な各種書類の取得、書類の目視確認も可能です。

タスク管理ツール

タスク管理ツールとは、プロジェクトやタスクの進捗を管理し、作業の遅れや無駄をなくすためのツールです。タスクの優先順位を把握して重要度が高い業務に注力できます。エクセルなどで管理する方法に比べてインターネットが利用できる環境であればどこからでもアクセスできる点もメリットです。テレワークが普及している今の時代に適しています。

チーム業務のマネジメントも効率化できます。チームメンバーのタスクの進捗をリアルタイムで共有できるため、メンバーの業務を管理することや適切なタイミングで業務を依頼することが可能です。

勤怠管理システム

勤怠管理システムとは、打刻機能のほかに出退勤データの自動集計や残業・休暇管理機能などを備えたシステムです。手作業で管理するのと比べて格段に人事・労務関連の作業を効率化できます。たとえば給与計算機能のあるシステムなら、給与計算事務の負担や計算ミスを大幅に減らせます。

Web会議システム

Web会議システムとは、インターネットを利用して、遠隔にいる相手とカメラやマイクを通じて会話ができるのがWeb会議システムです。新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に急速に普及し、無料で使えるツールもあることから今では多くの企業で導入されています。

Web会議システムを利用することで参加者の移動時間やコストが削減できます。たとえばWeb会議システムで商談を行うようになったことで出張頻度が激減すれば、従業員の負担が減るだけでなく、交通費や宿泊費、出張手当などの大幅なコスト削減につながるでしょう。

会議を運営する側にとっても、会議室予約や受付、資料の印刷が不要になる、録画で記録を残せるといったメリットがあります。

RPA

RPA(Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、コンピュータを使って行う事務作業を自動化する技術です。エクセルのVBAよりも自動化できる対象が広いことや、コーディングの専門知識がない人でもロボットを作成できることが特徴です。システムへの入力作業やWebサイトからの情報収集、データのチェックなど、さまざまな作業を自動化できます。RPAを活用することで、定型作業にかかる時間を大幅に削減可能です。

事務作業が多い自治体での導入も盛んです。データ入力や納税通知書の作成、月報の作成といった業務を自動化することで数百~数千時間の削減に成功した自治体もあります。

RPA導入を推進するのに何から始めたらいいか、導入したのはいいものの実用ができていない、などの課題をお持ちの企業も多くあるのではないでしょうか。導入をサポートするサービスを検討してみるのもおすすめです。

RPA導入支援 | ヤマトシステム開発株式会社
https://www.nekonet.co.jp/service/rpa_onsite

チャットツール

社内外の人とテキストでやりとりできるチャットツールは、メールよりも手軽に、かつスピーディーにレスポンスできるため連絡業務の効率化や活発なコミュニケーションを手助けします。グループ単位で1人対複数人のメッセージを送れるため、複数人での情報共有が容易になるといったメリットもあります。

企業向けのビジネスチャットツールでは、基本のチャット機能に加えてカレンダーやファイルストレージ、通知機能、他ツールとの連携機能など、業務をスムーズに進めるためのさまざまな機能が提供されています。チャットツールを活用してスケジュール調整やノウハウの共有などを行うことで、業務効率化に役立ちます。

3.事務作業を効率化するメリット

事務作業を効率化する大きなメリットは、無駄な作業をなくすことによるコスト削減です。加えて従業員の定着率向上やミスの軽減など、さまざまなメリットが期待できます。

従業員の定着率が高まる

残業が多く、単調な業務ばかりの職場では、従業員のやる気も低下しがちで離職率が高くなる場合があります。事務作業の効率化を進めることで労働時間を削減し、従業員の作業負担を減らせます。長時間労働の解消やストレスの軽減が期待できるほか、長期的には従業員のモチベーション向上や定着率の向上、優秀な人材の確保にもつながります。

ミスを最小限に抑えることができる

ツールなどの活用により事務作業を自動化・効率化することで、手作業で発生しがちなヒューマンエラーを軽減できます。ミスがなくなり精神的な余裕ができることで、ほかの業務のパフォーマンスも上がるでしょう。ミスが起きた場合のやり直し作業が減るため、労働時間の削減にもつながります。ミスを防ぐための確認作業もなくなるため、ダブルチェックに要する人員の確保も不要です。

他の業務に手が回るようになる

事務作業を効率化することで、作業に必要な時間や手間を削減できます。そこで創出された時間を別の付加価値が高い業務に割り当てることで、生産性の向上や業務効率化につながります。ヒト・カネ・モノといったリソースを重要性が高い事業に分配することで、イノベーションの創出に貢献します。特に人手不足で本来業務にリソースを割けないことが課題となっている企業にとっては、業務効率化は効果的な選択肢です。

従業員のやる気を維持できる

無駄な作業をなくし、質の高い業務に集中できる環境を整えることで、従業員のやる気の維持・向上も期待できます。無駄な作業に費やしていた残業が減ることでワークライフバランスを保ちやすくなり、気持ちの余裕が生まれるため新たなチャレンジもしやすくなります。モチベーションの向上は、成果や生産性の向上にもつながるため企業にとっても大きなメリットです。

4.事務作業を効率化するときの手順


実際に事務作業の効率化を試みる際には、以下のような手順で行うのが一般的です。結果を求めるあまりに急いで効率化を進めても期待する効果は得られません。地道な作業ですがひとつひとつ丁寧に進めましょう。

業務内容を整理する

まず現在の業務内容を棚卸し、状況を把握するところから始めます。棚卸を行う範囲を決定したら表を作成し、従業員に記入してもらいます。業務分類、業務内容、作業時間、実施頻度など大項目から小項目へと分類しながら漏れなく記載することがポイントです。記入内容に不明点がある場合は、直接従業員にヒアリングして不明点を解消するようにします。

業務を洗い出した後に、発生頻度や難易度、作業時間、仕事の種類などの視点で整理します。業務の棚卸作業は従業員に負担がかかるため、十分な期間を設定し行うようにしましょう。

課題を見つける

棚卸表をもとに業務を精査し、統合可能な業務はないか、時間をかけすぎている業務はないかなど、課題点を洗い出します。

たとえば複数人が同じような作業を行っている場合、人によって作業時間にバラツキがあるなら何らかの課題が存在する可能性があります。作業が属人化されていて最適な手順が共有されていない、作業の進め方に問題がある、などが考えられるでしょう。マニュアルの有無や具体的な作業手順などを確認しながら、解決すべき課題を明らかにします。

常日頃から生産性向上・品質向上を目的とした改善が行われている製造業では、ムリ・ムダ・ムラを「3ム(または3M)」と呼び、改善対象とします。たとえば仕事量が多すぎてどうやっても時間内に終わらない作業はムリ、付加価値を生まない作業はムダ、月末に業務が集中して仕事量の差がありすぎるのはムラです。いずれも改善余地があります。3ムは業界や職種を問わず活用できる考え方で、事務部門も例外ではありません。

課題の発見と同時に、効率化できそうな業務も洗い出しておくと次の工程がスムーズに進みます。ルールが明確に決まっている定型業務、毎日、毎週、毎月作業が発生する繰り返し作業などは、ツールの活用や自動化で効率化できる可能性が高いジャンルです。

解決策を考える

洗い出した課題と効率化の余地が高い作業に対して、どのアプローチで解決できるかを考えます。導入コストや実施スケジュール、影響範囲などもまとめておきましょう。

解決策の一例として、「ツールによる自動化」の適用例を紹介します。月例報告用として、毎月末に各部門から提出される数値データをエクセルに転記して毎月集計・定例レポート作成を行う作業が発生している場合、エクセルVBAで転記・集計・レポート作成の一部まで自動で行うようにすれば作業時間の削減が可能です。

また年間を通じて申請方法の問い合わせが多く、総務担当者の負担になっていることが課題として明らかになった場合、チャットボットを導入することにより、単純な問い合わせ対応業務の削減が期待できます。FAQを充実させることで問い合わせ自体を削減するという解決策もあります。

業務に取り組む

立案した解決策について実行手順やスケジュールを決めたら、優先順位の高いものから実運用を開始します。ポイントは、効率化の難易度と、効率化により得られる効果で優先順位をつけることです。いくら効率化しやすい作業であっても得られる効果が小さければ優先順位は低くなります。効率化が容易で、かつ得られる効果が大きい作業を優先して効率化を進めていくようにします。

業務に取り組む際は、具体的な目標を設定し、部署全体で共有するとよいでしょう。たとえば「生産性を上げて利益を拡大する」「ワークライフバランスを整えて離職率を下げる」などの目標を決めることで、作業者のモチベーションを維持できます。

また、実行する中で作業に要した時間や作業者が気づいたことを記録しておき、分析の際に役立てましょう。

取り組みを分析する

業務改善を行う際には、実施して終わりではなく効果検証を行い、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)のPDCAを回すことが不可欠です。解決策を実行した後、期待した効果が得られているか、問題はないかなど検証を行います。問題があった場合は、原因を明らかにしたうえで改善に取り組みましょう。作業を行った従業員にヒアリングして改善点を発見することも重要です。

まとめ:事務作業を効率化して業務の無駄をなくそう

事務作業の効率化を行うことで、従業員の定着率向上やモチベーションアップ、ミスの低減など多くのメリットがあります。効率化によって生まれたヒト・カネなどのリソースを重要性が高い業務に分配することでビジネスをよりスムーズに、より高品質にできます。

作業内容の棚卸から始まり地道な改善作業が必要になるため、ひとつひとつ丁寧に取り組むことが重要です。紹介した内容を参考に、ツールの導入やマニュアル化など、小さな部分からコツコツと取り組むことをおすすめします。

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