対面本人確認時のマイナンバーカードのICチップ読み取りでどう変わる?

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犯収法や携帯法改正に伴い、対面での本人確認において、マイナンバーカードのICチップを読み取るJPKIが注目されています。導入する際はマイナンバーカードのICチップの読み取り環境の整備が必要になります。
この記事では、現在行われている対面時の本人確認方法と、法改正後の対面時の本人確認方法について解説します。

目次

  1. 現在の対面本人確認方法
  2. 犯収法と携帯法の法改正
  3. 対面本人確認でのJPKI活用のメリット
  4. JPKIによる対面本人確認の整備
  5. 対面の本人確認業務は専用ICカードリーダーにおまかせ

現在の対面本人確認方法

近年、インターネットの普及に伴ってサービスの申し込みはオンライン完結型が主流となり、本人確認もスマートフォンなどで完結するJPKI(公的個人認証サービス)やeKYC(電子本人確認)が一般的になりました。その一方で店頭では対面によるKYC(本人確認)も行われます。
サービスによっては、非対面・対面(店頭)のどちらかの申し込み方法を選択でき、店頭では店員のサポートを受けながら確実に手続きを進めたい層や、端末操作に不安がある層でも安心して本人確認が完結できます。

マイナンバーカードを用いたJPKI方法

マイナンバーカードに内蔵されたICチップから公開鍵や電子証明書を取得し、本人確認を行う仕組みです。
地方公共団体情報システム機構(J-LIS)により提供される個人認証サービスで、ICチップ情報の偽造は非常に困難なためなりすまし対策につながります。
ICチップを搭載している本人確認書類は、マイナンバーカードのほかに、運転免許証、在留カードなどがあげられますが、JPKIに対応しているのはマイナンバーカードのみになります。
本人確認方法は、店員はマイナンバーカードを目視確認し、有効期限や写真の確認を行います。本人確認は専用ICカードリーダーなどから、ICチップの情報を読み取るため、その場で本人確認が完了します。これにより、データを手入力したりコピーしたりといった手間が削減できます。お客さまは、専用ICカードリーダーなどにマイナンバーカードをかざすだけで正確な情報が瞬時に取り込まれるため、カウンターでの拘束時間が短縮されます。

顔写真付きの本人確認書類

顔写真付き本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)の本人確認方法は、本人確認書類の記載情報と申込内容の情報が一致するか確認します。本人確認書類の厚みなどの目視確認を行い、容貌については店員が本人確認書類の顔写真と本人を目視で確認します。目視確認以外にシステムによる判定を行う場合もあります。
店舗や企業側では、原本のコピーを取るか、スキャナーでデジタルデータとして保存します。

顔写真のない本人確認書類

顔写真のない本人確認書類(住民票の写しや年金手帳など)は、物理的な書類の確認や郵送を通じた住所確認が必要となり、処理に時間がかかることがあります。
本人確認方法は、店頭で本人確認書類の提示を行い⁠、本人確認書類の記載情報と申込内容の情報が一致するか確認します。記載されている住所宛てに転送不要郵便として送付し、届くことで確認が完了します⁠。
送付から到着に時間が掛かるため、サービス提供までに時間が掛かります。

犯収法と携帯法の法改正

改正される背景には、本人確認書類の偽変造によって他人になりすまして開設された口座や、携帯電話の不正契約が増えて特殊詐欺などの犯罪に利用されるケースが増えていることがあります。このような特殊詐欺をはじめとする組織犯罪による悪用を防ぐことを目的としています。

犯収法改正

犯収法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)の改正は、2027年4月に予定されています。
対面の、イ方式(顔写真付きの本人確認書類の提示)、ロ方式(顔写真のない本人確認書類の提示と転送不要郵便の送付)、ハ方式(顔写真のない本人確認書類の2点提示)、二方式(顔写真のない本人確認書類の提示と補完書類の送付)に変更はない予定です。
非対面の、ホ方式(本人確認書類の画像(厚みやそのほかの特徴)と本人の容貌画像を送信)、リ方式(本人確認書類と転送不要郵便の送付)は廃止予定です。 犯収法における特定事業者(金融機関、宝石・貴金属等取扱事業者など)に該当する事業者は、マイナンバーカードのICチップで読み取るワ方式(マイナンバーカードのICチップ情報を読み取るJPKI」へ原則一本化されます。

2027年4月改正予定の犯収法については以下の記事で詳しく解説しています。

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携帯法改正

携帯法(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)の改正は、2026年4月に予定されています。
対面の、イ方式(顔写真付きの本人確認書類の提示)、ロ方式(顔写真のない本人確認書類の提示と転送不要郵便の送付)に変更はない予定です。
非対面の、ハ方式(本人確認書類の画像(厚みやそのほかの特徴)と本人の容貌画像を送信)、へ方式(本人確認書類と転送不要郵便の送付)は廃止予定です。 二方式(写真付き本人確認書類のICチップ情報の読み取りと本人の容貌画像を送信)、チ方式(マイナンバーカードのICチップ情報を読み取るJPKI)は、継続予定です。

2026年4月改正予定の携帯法については以下の記事で詳しく解説しています。

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犯収法、携帯法共にマイナンバーカードのICチップを活用したJPKI(公的個人認証サービス)での本人確認は継続されます。

対面本人確認でのJPKI活用のメリット

対面本人確認時に、マイナンバーカードのICチップを読み取るJPKIによる本人確認を行うことで、契約手続きの効率化が期待できます。

契約手続きの効率化

従来の手入力や書類のコピー、目視確認にかかっていた時間や手間が削減されます。以下のような効果が望めます。

セキュリティの向上

マイナンバーカードのICチップには高度な暗号技術が用いられており、偽造は非常に困難です。本人確認の信頼性が高まり、不正利用やなりすましのリスクを大きく減少させます。セキュリティ向上のポイントは以下の通りです。


このように、マイナンバーカードのICチップ読み取り導入は、対面本人確認の手続き全体をスムーズにし、利用者と事業者双方が安心して契約手続きを行える環境が整備されます。法改正に伴い、対面でのマイナンバーカードICチップ読み取りは、今後の本人確認として広く使われることが期待されます。

JPKIによる対面本人確認の整備

対面でのマイナンバーカードのICチップを読み取るJPKIを実施するためには、物理的なマイナンバーカードのICチップ情報を正確に読み取るための端末などの整備が必要です。また、端末の整備に伴う手順の見直しが必要になるため、店員への教育が必要となります。

ICチップ読み取り端末の整備

対面本人確認におけるJPKI活用では、マイナンバーカードのICチップ情報を正確に読み取るための専用端末の整備が必要です。
さまざまなICチップ読み取り端末があり、選定にあたっては機器の性能や接続方法などを検討します。

導入にあたっては、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の定める技術基準を満たしている必要があります。

JPKI連携アプリも導入が必要です。単にICチップを読み取るだけでなく、読み取ったデータが「有効か(失効していないか)」をリアルタイムでJ-LISに問い合わせるための、プラットフォーム連携ソフトが必要になります。

本人確認取り扱い手順の見直し

対面本人確認時にマイナンバーカードのICチップを読み取る方法へ変更するために、店員へ取り扱い手順の教育が必要になります。
ただし、本人確認書類の厚みの確認などが不要で、お客さまにマイナンバーカードを専用ICカードリーダーなどにかざして、暗証番号入力してもらうのみのため、手順が簡略化でき、教育する時間も削減できます。

対面の本人確認業務は専用ICカードリーダーにおまかせ

マイナンバーカードを使った対面本人確認は、犯収法や携帯法改正により今後ますます重要性を増していくでしょう。マイナンバーカードのICチップの読み取りを本人確認業務に活用することで、手続きが効率的に進み、セキュリティの向上が期待できます。
各企業は、JPKIの対応に向けた準備を進める必要があります。対面本人確認の際にICチップを読み取るための専用ICカードリーダーの整備や、本人確認手順の見直しを今から進めておく必要があります。

ヤマトシステム開発が提供するサービスは、専用ICカードリーダーとタブレットのみで利用でき、店頭でのスペースをコンパクトに抑えられます。また外出先でも使用できます。真贋判定結果をデジタルデータとして保存できるため、記録・照合作業の負担を最小限に抑えます。マイナンバーカードのほか、運転免許証、在留カードのICチップ読み取りに対応しています。対面でのJPKIを活用した本人確認の効率化を支援いたします。

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