継続的顧客管理とは?重要性や実施方法、課題を解決方法を解説

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公開日:2023/06/15
最終更新日:2026/02/26

銀行口座などの開設後も、定期的な本人確認などにより顧客情報を特定・評価する「継続的顧客管理」は、どの金融機関でも必須の取り組みとなります。本記事では、各金融機関で対応が急がれる「継続的顧客管理」の概要と課題、課題を解決できるeKYCのメリットを解説します。

目次

  1. 継続的顧客管理とは?
  2. 継続的顧客管理の重要性
  3. 継続的顧客管理の実施方法
  4. 継続的顧客管理における課題
  5. 継続的顧客管理の課題を解決するJPKIとは?
  6. 継続的顧客管理にはJPKIサービスを活用しよう

継続的顧客管理とは?

口座開設時だけではなく、利用が始まった後も、定期的・継続的に顧客の状態をチェックし続けることを指します。
以前は、口座開設時にのみ確認すれば良いと考えられていました。最近では、取引パターンの変化(例えば、普段は少額の振込しかない口座に、突如として海外から多額の入金があった)、なりすまし・買収(例えば、本人が知らない間に犯罪に口座が売却・利用されている)などを見逃さないために、常に最新の情報で顧客管理する必要があります。

銀行口座などの金融機関の不正利用によるマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与が国際的に問題になっており、世界各国で対策の強化が必要となっています。 そんな中、2021年にFATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書が公表され、日本が「強化(重点)フォローアップ国」に認定されました。「監視(観察)対象国」として「グレーリスト」に入ることは避けられましたが、先進国の中では相対的に低い評価となりました。
第4次対日相互審査の報告書では日本の継続的顧客管理について、一定程度の金融機関では、まだ明確かつ一律の理解を有していないとの評価が出ており、完全な履行をすべきであると勧告されています。 強化(重点)フォローアップ国に認定された場合、5年後のフォローアップ評価(評価の見直し)がされるまでに、3回の改善・進捗報告および最終報告が必要です。そのため、報告書で指摘された継続的顧客管理についても、早急な改善・厳格化が求められている状況です。
また、これに先駆けて金融庁は「マネー・ロンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を策定しており、各金融機関に対し、2024年3月までに顧客管理態勢を整えるように要請しています。

FATFの第5次対日相互審査は、2025年以降に開始され、2028年頃の現地調査が見込まれています。第4次対日相互審査での法整備面での合格を受け、マネーロンダリング(資金洗浄)などの「実効性」をより厳しく審査される見通しです。

【参照元】マネロン・テロ資金供与対策 相互審査報告書(仮訳)
【参照元】金融機関におけるマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策について(金融庁)

継続的顧客管理の重要性

マネーロンダリング(資金洗浄)とは、犯罪組織が表に出せないお金(詐欺や薬物取引などの犯罪で得た資金)を正当なものとして偽ったり、出所などが分からなくなるように移転を繰り返したりする行為です。このようなお金は時にテロ資金や更なる犯罪として供与されることもあり、これらから生じる安全保障上の脅威を封じ込めることが国際社会全体で課題となっています。
FATF(金融活動作業部会)が日本の金融機関は「管理が甘い」と判定されると、海外送金が遅延したり、拒否されたりするなど、一般企業のビジネスへの影響が見込まれます。

金融機関にとっても、継続的顧客管理を怠ったことで犯罪に利用された銀行というレッテルを貼られる可能性があります。マネーロンダリング(資金洗浄)の流れを厳しく監視していくことは、犯罪組織への資金移動を防止することにつながるため、金融機関では定期的・継続的に顧客の状態をチェックする、継続的顧客管理が重要となります。

継続的顧客管理の実施方法

口座開設時は、個人口座ではインターネットを利用した開設ができ、印鑑が不要なケースもあります。本人確認についても、インターネットを利用したeKYC(本人確認書類と容貌撮影の送信)や、JPKI(マイナンバーカードなどの本人確認書類のIC情報読み取り)で実施します。インターネットだけではなく、従来通りの店頭での手続きもできます。その場合の本人確認は目視確認だけでなく、JPKIを利用することもあります。
口座開設後の継続的顧客管理の実施は、以下の流れで行います。

 

管理方法の策定

顧客をリスクに応じていくつかのグループに分けます。
例えば、Highリスクはマネーロンダリング(資金洗浄)対策が不十分な国に居住しているなど。Lowリスクは給与の受け取り、公共料金など引き落とし、住宅ローンの支払いだけに使用しているなど。
Highリスクの方のみ継続的顧客管理を実施するなどの判断を行います。

通知状の発送、本人確認

対象の方の登録住所に書類を送り、現在の職業や年収などに変更がないか、郵送やメールで質問表を送付します。本人確認書類の再取得を行い、内容が誤っていないか確認します。回答方法は、窓口での対面確認や、書類で返信、インターネット回答などがあります。本人確認については、口座開設時同様にeKYCやJPKIが利用できます。

回答内容の保管

顧客の回答内容(年収など)と実際の口座の動きに矛盾がないなど、問題なしと判断した場合は取引を継続します。高額な入金があった場合でも「遺産分割協議書」などの提出があれば問題なしと判断できます。
回答内容に応じて、取引を制限したり、停止する場合もあります。

顧客に転居や転職、結婚といった変化があれば、金融機関で保持している顧客情報も正しいものとはいえなくなります。開設時に一度確認を行っただけでは、マネーロンダリングなどの不正を完全に防ぐことは難しいです。
定期的・継続的に顧客情報を最新状態で維持しておくための管理を実施します。

継続的顧客管理における課題

金融機関は継続的顧客管理を行ううえで、課題や悩みを抱えています。

顧客へ回答を依頼や回答の確認に手間や時間がかかる

定期的・継続的な対応が必要な継続的顧客管理ですが、顧客情報が膨大な数になるため、質問表の送付準備にも回答した内容のデータ化に伴う顧客情報の確認にも、業務負荷がかかります。転居で届かない場合や、メールでは詐欺だと思い込んで削除される場合もあります。
質問表の回答依頼は、郵送やメールなどの手段があります。質問表の回答がない場合は電話をするなど、顧客の状況によっては臨機応変に適切な連絡方法に切り替える必要があります。
また、提出された本人確認書類や、回答内容の不備確認などを行い、不備がある場合の再提出や確認を行うなどの業務が発生します。

継続的顧客管理の課題を解決するJPKIとは?

JPKIとは、インターネットを使用したeKYCの仕組みを利用した本人確認や、窓口や郵送によって実施していた本人確認を、マイナンバーカードなどの本人確認書類のIC情報を読み込んで、本人確認を実施する方法です。公的個人認証サービスとも呼ばれています。目視確認がなく、ICチップの偽造が非常に困難であることから、信頼できる本人確認方法であると言えます。
インターネットで完結でき、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取ります。店頭でも専用の読み取り機などで読み取ることで、本人確認が完結できます。
2027年4月に予定されている犯収法改正では、金融機関などの特定事業者の本人確認方法がJPKIに一本化される予定です。2027年4月の犯収法改正や、JPKIについては以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい

スピーディーな導入が可能

昨今は、企業各社が提供するJPKIサービスが充実しています。
自社構築ではシステム整備が必要で導入までに多くの費用と時間が発生しますが、企業各社が提供するJPKIサービスを導入することで、自社構築よりも素早い導入とスムーズな運用が見込めます。
犯収法に準拠した本人確認を実施でき、セキュリティ面も強く、サポートが充実しているサービスを選ぶと、より安心して顧客管理に取り組めます。

継続的顧客管理にはJPKIサービスを活用しよう

継続的顧客管理は、郵送やメールで質問表を送付し回答を依頼します。本人確認書類の再取得も必要となり、登録情報や回答内容と相違がないか目視確認することが、時間や手間がかかるといった課題があります。
証明書類Web取得サービスは、JPKIに対応したサービスです。
2027年4月の犯収法改正で、本人確認方法がJPKIに一本化する予定です。JPKIは目視確認が不要なため、回答内容の確認の手間や時間が削減できます。回答時に必要な各種書類画像も併せて取得や当社のオペレータによる目視による確認作業もできます。

関連サービス

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