立替経費の精算で発生するよくある課題と効率化の方法

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本来は企業が支払うべき経費を、従業員が一時的に立て替えて支払うケースは珍しくありません。こうした立替経費の精算ではさまざまな課題が発生します。立替経費の精算で発生しがちな課題や、精算業務の効率化につながる具体的な方法、おすすめのサービスなどについて解説します。

目次

  1. 立替経費とは企業の経費を一時的に従業員が立て替えた経費のこと
  2. 立替経費が起きるケース
  3. 立替経費の仕訳方法
  4. 立替精算の流れ
  5. 立替経費で起こりうる課題
  6. 立替精算を効率化する方法
  7. 立替経費の精算をキャッシュレス化! マルチバリューチャージサービス
  8. まとめ

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立替経費とは企業の経費を一時的に従業員が立て替えた経費のこと

通常、事業で使用する費用、経費は企業が負担します。業務に使用するパソコンや消耗品の購入費用、外注費、従業員に支払う給与などは経費であり、負担するのは企業です。しかし、ビジネスシーンにおいては従業員が一時的に経費を立て替えるケースが少なくありません。

本来会社が負担するはずの経費を、従業員が一時的に支払う経費のことを立替経費と呼びます。一時的に従業員が自分のお金で支払い、後日企業から精算してもらうことで経費として処理されます。

事業に関係する費用だからといって、その都度企業からお金を精算するのは手間です。業務効率が低下し、機会損失につながるおそれもあります。こうしたリスクを回避し、経営のスピードを高めるために立替経費が利用されています。

立替経費が起きるケース

従業員が経費を立て替えるシーンは多数あります。たとえば、お客様のもとへ足を運ぶ際の電車賃やバス賃、タクシー代などの交通費が該当します。また、外回りの営業中に業務で使用するボールペンやメモ帳などを従業員が身銭を切って購入した、といったケースも考えられます。

取り引き先の担当者や大口のお客様を接待するため、レストランで飲食した際の費用や、お歳暮やお中元の購入費用、出張先で宿泊したホテル代などを立て替えるケースも珍しくありません。

なお、立替経費と似たものに仮払いがあります。仮払いは、業務で必要なお金をあらかじめ従業員に仮で支払うことを指します。たとえば、県外へ出張に出かける従業員に対し、交通費や宿泊費として5万円を手渡す、といったケースです。

一般的に、仮払いが発生するのは支払う金額が大きくなりそうなシーンです。支払い金額が大きい場合、従業員の金銭的な負担が大きくなりすぎてしまうため、仮払いで対応します。反対に、近距離のバス賃や文房具の購入費など、細々とした費用は立替経費としてあとからまとめて精算するケースが多いでしょう。

立替経費の仕訳方法

賃借対照表や損益計算書といった決算関連書類を作成するため、企業は日ごろから適切に仕訳をしなくてはなりません。立替経費の仕訳は、精算時と支払い時の2回行います。

従業員が立て替えたとき

従業員が立て替えて支払いをした段階では仕訳をする必要はありません。領収書やレシートなどを従業員が経理部門の担当者へ提出し、精算するタイミングで仕訳を行います。

勘定科目には、従業員が立て替えた費用に該当する種類を記入しましょう。交通費や研修費、広告宣伝費、消耗品費、接待交際費などが挙げられます。

たとえば、大口のお客様を接待して30,000円の飲食費用を立て替え払いしたケースでは、借方に接待交際費、金額に30,000円と記載しましょう。貸方には未払金として30,000円を記載します。

精算が完了したとき

従業員に立て替えてもらったお金を精算し支払ったタイミングでも仕訳が発生します。たとえば、従業員の給与振込口座へ入金したのであれば、借方の勘定科目は未払金で30,000円と入力しましょう。

一方、貸方の勘定科目は普通預金とし、金額に30,000円と記載します。 経費を現金で手渡しするケースであれば、貸方の勘定科目は現金とします。あとは同じです。

立替精算の流れ


従業員が経費を立て替えてから手元へお金が戻るまでの流れを把握しておきましょう。一般的には、立替経費の支払い→領収書の提出→立替精算→払い戻しといった流れになるケースがほとんどです。

1. 従業員が立替経費を支払う

出張先へ足を運ぶのに飛行機やバスなどを使用したときや、業務に要する文房具などを購入したときに立替経費を支払います。のちほど精算で必要になるため、従業員は領収書やレシートを忘れず取得しておかねばなりません。このあたりは経理部門からしっかりと言い含めておくべきです。

2. 領収書をもらい経理に提出する

従業員は支払い先から領収書やレシートを取得します。領収書は経費精算に必須であり、従業員が払い戻しを受けるのにも必要です。ただ、領収書さえ取得すれば大丈夫とはならないため注意しましょう。 領収書のフォーマットに決まりはないものの、記載すべき内容は決まっています。

領収書を作成した者の住所や氏名、支払い年月日、支払い理由、金額、領収書を受け取る者(事業者)の氏名が記載されていなければなりません。記載されていないと、正式な領収書として認められないおそれがあります。 経費としての証明が難しい場合は、領収書の裏面やただし書き欄により詳しい情報を追記しておくとよいでしょう。

取り引き先の担当者を飲食店で接待したとき、領収書に記載されている内容が飲食代のみでは、個人的な支出を疑われてしまうかもしれません。「〇〇社の〇〇様との打ち合わせ」など、詳細を記載しておくと経理への説明もスムーズです。

3. 立替精算が行われる

従業員は立て替えた経費の精算書を上司や経理部門の担当者へ提出します。一般的には、上司に提出した精算書は決裁権限をもつ上長へとわたり、承認されれば経理部門に引き渡されチェックが行われます。

なお、経費精算の申請書類に不備があると受理してもらえないため注意が必要です。書き直しを求められ差し戻されることもあるため、申請者は不備がないよう作成しましょう。

4. 従業員に払い戻される

経費精算の申請書が経理部門に受理され承認を受ければ、立て替えた経費は従業員に払い戻しされます。直接経理部門の担当者から現金を手渡しされるケースもあれば、給与振込口座へ振り込まれる場合もあります。

立替経費の振り込みが行われる日にちが決まっている企業や、給料日に給与とあわせて振り込まれるところもあります。従業員は、払い戻しが行われる規定日には、口座に申請した金額が振り込まれているかどうか確認しましょう。金額に間違いがなければ立替精算は完了です。

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立替経費で起こりうる課題

立替経費で起こりうる課題として、書類作成時に頻発する記入ミスが挙げられます。また、書類のチェックに多大な時間を要する、従業員に払い戻しする数が多く業務負担が増加するといった課題もよく耳にします。

書類作成時の記入ミスが多い

経費精算の書類を作成する際に、記入ミスが発生してしまうケースは少なくありません。経費精算を普段することがない、社会人になったばかりで慣れていないといった従業員の場合、人為的なミスが発生しやすいため注意が必要です。

書類の内容に不備が見つかれば、そのまま受理できません。たとえば、提出してもらった領収書に記載されている金額と精算書類に記入されている金額があわない、といったケースです。こうした状態で精算は進められないため、担当者は従業員に確認をとらなくてはならず非効率が発生します。

書類への記入ミスだけでなく、領収書の取得を忘れてしまうことも少なくありません。領収書がなければ、いくらお金を立て替えたといっても証明ができず精算できません。 ほかにも、取得した領収書を従業員が紛失してしまう、計算ミスをする、申請そのものを忘れてしまうといったミスもよく発生しがちです。

チェックに時間がかかる

チェックに時間がかかるのもよくある課題のひとつです。お金に関することであるため、経理担当者は間違いが起きないようにチェック作業を進めなくてはなりません。慎重に作業を進めるとなれば、業務のスピードは低下します。

規模の大きな企業ともなれば、連日大量の申請書が回ってくるケースも珍しくありません。少ない人員で業務にあたっている経理部門であれば、なかなか手が回らずチェックや処理が追いつかないといったことも起こりうるでしょう。

また、立替精算の期限までに書類を提出しない従業員もいます。提出してもらえないと適切な処理や手続きができないため、経理担当者は締切日のアナウンスや期限をすぎている従業員に対し催促もしなくてはなりません。

従業員への払い戻しの数が多い

経費精算の書類を受理したら、規定日に遅れないよう払い戻しをしなくてはなりません。払い戻しが必要な従業員の数が多いと、それだけ業務が増えてしまい経理担当者に多大な負担がかかります。

送金を一括でまとめて行うことはできず、個別に手続きをする必要があります。払い戻しすべき従業員の銀行口座へ申請された金額を送金する、といった作業を申請書の数だけ行わなければならないため、相当な業務量が発生します。

中小企業であれば、バックオフィスを担う経理部門を必要最小限の人員で回しているケースも珍しくありません。経理の担当者数は少ないにもかかわらず、処理しなくてはならない立替経費の数が多いとなれば、担当者の負担は相当なものとなり、モチベーションの低下を招くおそれもあります。

立替精算を効率化する方法

立替精算は手間と時間がかかり、業務が非効率になってしまうことが多々あります。業務の効率化に有効な方法としては、法人用クレジットカードの作成や経費精算システム、送金サービスの導入などが考えられます。

法人用クレジットカードの作成

法人用クレジットカードとは、法人を対象としたクレジットカードです。法人用クレジットカードを導入すれば、従業員は自身のお金を立て替えて支払いをする必要がなくなり、経費精算の処理や手続きを簡潔化できます。

法人用クレジットカードは各社員用のカードも発行可能です。外回りの営業担当者など、経費を立て替えることが多い従業員に社員用カードをもたせておけば、立て替えはもちろん仮払いも発生しません。しかも、利用データを一元管理でき精算処理の手間が大幅に軽減されるメリットがあります。

経費利用を可視化できる点もメリットです。法人用クレジットカードであれば、いつ誰がどこでいくら使用したのか、といったことをすべて可視化できます。不正な経費精算の防止につながり、組織のガバナンス強化も実現します。

一方で、法人用クレジットカードによっては年会費が発生するため、事前の確認が必須です。また、追加発行できる社員用カードの数に上限が定められている法人用クレジットカードもあるので、大勢の従業員に所有させたい場合には事前の確認が求められます。

経費精算システムの導入

経費精算システムとは、企業の経費精算を効率化するためのシステムです。経費精算に必要な書類作成から申請、承認、仕訳、会計ソフトへの反映などをシステマチックに行え、経費精算業務の効率化につながります。

システムの導入によって、書類作成の手間や入力ミスの削減につながる点がメリットです。申請者はPCやスマホを用いて手軽に申請書を作成できるため、提出期限の遅延も回避できます。

申請から承認のフローも効率化できます。従業員はオンラインで経費精算を申請し、決裁権限者もオンライン上で内容の確認と承認を行えるため効率的です。差し戻しが必要なときもオンラインで行えるためスムーズです。

インターネット接続環境であればシステムを利用できるため、決裁権限者は外出先でも承認を行えます。多くの時間と手間を要する金額の計算や仕訳なども自動化でき、チェック作業も減らせるため経理担当者にかかる負担も軽減できます。

送金サービスの導入

送金サービスを導入すれば、企業から従業員への支払いをリアルタイムかつキャッシュレスで行えます。処理しなくてはならない経費の件数が増えれば増えるほど、経理担当者への負担は大きくなってしまいます。送金サービスであれば、オンラインで簡単に送金を行えるため負担軽減につながります。

リアルタイムでの送金が可能であるため、従業員満足度の向上が期待できる点も魅力です。企業によっては、月に一度の規定日にしか経費を払い戻ししない、といったところもあります。従業員が立て替える経費の額が大きい場合、月に一度しか払い戻しがないとなれば従業員の懐事情が苦しくなってしまうかもしれません。

複数のキャッシュレス決済手段に対応した送金サービスを導入し、リアルタイムでの送金を可能とすればスピーディーに払い戻しを行えます。従業員満足度が向上するでしょう。


お役立ち資料

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立替経費の精算をキャッシュレス化! マルチバリューチャージサービス

マルチバリューチャージサービスは、ヤマトシステム開発が提供している送金サービスです。企業から個人に対する支払いをキャッシュレス決済手段で行え、企業における経費精算に関するさまざまな課題の解決に役立ちます。

マルチバリューチャージサービスの利用シーンは多岐にわたります。経費精算はもちろん、従業員への報酬の支払いやお客様への返金と、幅広いシーンへの対応が可能な点が魅力です。

サービスを利用して返金や経費の払い戻しをする際には、専用Webサイトを介してチャージ依頼をするだけです。チャージ依頼をすれば、ヤマトシステム開発から決済事業者へチャージ依頼を行い、従業員やお客様に支払われます。

導入メリット

多様な決済手段で送金できる点がメリットです。従業員によっては、払い戻される経費を銀行口座ではなく、日常的に使用している電子マネーなどで送金してほしいと考える方もいます。マルチバリューチャージサービスを導入すれば、こうした従業員のニーズに応えられ従業員満足度向上につながります。

従業員が望む決済手段で、なおかつリアルタイムに送金できる点も魅力です。企業側がやるべきことといえばチャージ依頼をするのみで、リアルタイムに送金が完了し従業員は払い戻しを受けたお金をすぐに使用できます。手間と時間をかけることなく送金できるため、すぐにでも払い戻しをしてほしいと望む従業員の希望にも応えられます。

経費削減につながるのもメリットです。銀行振込よりも手数料が低いため、コストダウンにつながります。振り込みに要していた経費が削減できれば支払いの回数も増やすことができ、従業員の多様なニーズに応えることが可能です。

選択可能なバリュー

さまざまな決済手段に対応しているのも、マルチバリューチャージサービスの魅力です。各種ブランドプリペイドカードをはじめ、電子マネーギフトやギフト券番号、コード決済サービス、現金に対応しているため、従業員のさまざまなニーズに対応できます。

なお、ここで記載したバリューは一部であり、実際には約10種類のデジタルマネーに対応しています。従業員への立替経費払い戻しに限らず、お客様を対象としたキャッシュバックキャンペーンの支払いにも利用可能です。

まとめ

立替経費の精算業務は、書類への記入ミス発生やチェックに要する多大な時間、払い戻し件数の多さによる負担などさまざまな課題があります。こうした課題を解決し、経費精算業務を効率化する方法として法人用クレジットカードの作成や送金サービス、経費精算システムの導入などが考えられます。

どの方法でも効率化は可能ですが、コスト削減や従業員満足度の向上まで狙うのなら、マルチバリューチャージサービスのような送金サービスの導入がおすすめです。振込手数料を削減しつつリアルタイム性の高い支払いが可能であり、従業員満足度の向上につながります。

関連サービス

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