「口座振替」とは?事業者が知っておくべき仕組みとメリット・デメリットを解説

公開日:2023/12/15
最終更新日:2025/11/28
水道料金、ガス料金、電気料金などの公共料金や携帯電話、インターネット利用料金だけでなく、習い事の月謝や会費、ネット通販の定期購入、サブスクリプションサービスなどで定期的な支払いが発生するケースは多くあります。もし、このような料金を口座振込で支払う場合、お客さま(利用者)は毎月の振込作業が必要になります。事業者も振込の確認や連絡のため少なからず手間をかけることになるでしょう。
こういった支払いを毎月自動で完了する仕組みの一つに、口座振替があります。 ここでは、事業者の方向けに口座振替の仕組みや導入方法を紹介し、口座振替の導入によるメリットとデメリットを解説します。
「口座振替」とは?
「口座振替」とは、公共料金や各種サービスの支払代金を銀行口座から自動的に引き落とす決済サービスのことです。「自動振替」や「自動引き落とし」とも呼ばれることがあります。近年ではサブスクリプションサービスやネット通販の定期購入などの毎月支払いが発生するサービスにも利用されています。
口座振替の仕組み
口座振替は、主にお客さま(利用者)・事業者・金融機関の間で行われますが、決済代行会社を利用することで複数の金融機関との手間のかかる契約や審査を一括でまかせることができます。
口座振替の主な流れは以下の通りです。

- 事業者が、お客さま(利用者)の口座振替依頼書を受け取って契約する
- 事業者が、受け取った口座振替依頼書を決済代行会社に提出し、引き落とし銀行口座を登録する
- 事業者が、決済代行会社へ請求データを送信する
- 決済代行会社が、各金融機関との手続きを行いお客さま(利用者)が指定した銀行口座から引き落とす
- 決済代行会社が、事業者の銀行口座へ支払い代金を入金する
お客さま(利用者)によって異なる金融機関の銀行口座が指定されます。すべてのお客さま(利用者)の口座振替に対応するためには、数多くの金融機関とそれぞれ契約をする必要があります。この方法では大変手間がかかります。決済代行会社を利用することで各金融機関との手続きを行ってくれるので包括的に契約することができます。
口座振替の導入方法
口座振替の導入にあたって、お客さま(利用者)には口座振替依頼書を用意してもらう必要があります。申し込みは紙の書類のほかにWeb(オンライン)の2種類の方法があります。
紙の書類による口座振替の申し込み
お客さま(利用者)に書類の必要事項を記入いただき、事業者が受け取った書類を金融機関や決済代行会社へ提出する方法です。
紙の書類で申し込む場合、口座振替依頼書や口座振替申込書といった複写式の書類が一般的になります。また、お客さま(利用者)の銀行印の押印が必要です。お客さま(利用者)の書類記入時に、銀行印と書類の印鑑が異なっていたり口座名義などが誤っていると、再度お客さま(利用者)に記入し直してもらうことになり手間がかかります。
Web(オンライン)による口座振替の申し込み
紙の書類と必要事項は同様ですが、Web上でお客さま(利用者)に入力いただく方法です。紙の書類提出が不要になり、銀行の届出印が不要で、気軽にスマートフォンで手続きできます。
「Web口座振替」、「インターネット口座振替」、「オンライン口座振替」などさまざまな呼び方がありますが同じものを指しています。 紙の書類を郵送する手間がかからないだけではなく、書類を紛失するリスクが少ないことから幅広く普及しています。
事業者におけるWeb口座振替のメリットとデメリット
Web口座振替はお客さま(利用者)にとってはメリットとなる部分が多いですが、事業者側の目線でメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
お客さま(利用者)の支払いタイミングに左右されない
事業者にとって、口座振替の申し込みが済んだ後は代金を確実に回収できるという点が大きなメリットといえます。口座振込の場合は、万が一お客さま(利用者)が支払いを忘れてしまうと代金の回収が滞ってしまい、催促を行ったり手間がかかります。
しかし、口座振替であれば決済代行会社および銀行が資金の移動を行ってくれますので、お客さま(利用者)の支払いタイミングに左右されることがありません。
機会損失が防げる
お客さま(利用者)が銀行口座を持ってさえいれば口座振替ができるため、対象となるお客さま(利用者)の範囲が広いこともメリットといえます。例えば、クレジットカード決済しか対応していなければクレジットカードを所持していないお客さま(利用者)が不便に感じることで購入機会を失う可能性があります。決済手段の選択肢を増やすことによる機会損失を防げることも口座振替の利点です。
また、お客さま(利用者)の手続きが簡単なため、「面倒だから後でやろう」など途中でやめてしまったりするのを防げます。
事務や管理コストの削減
紙の口座振替依頼書をお客さま(利用者)に郵送する費用、返送された書類を確認する人件費、不備(印鑑相違や記入誤りなど)があった際に再送付する手間やコストを削減できます。
デメリット
導入・運用コストが発生
決済代行会社を通して行う場合、導入費用、システム利用料や登録件数に応じた運用コストが発生します。
一見するとコストが増加するように思えるかもしれませんが、郵送費用や書類確認の人件費などのコストが削減するため、中長期的に見ればコストは削減します。
紙の手続きと併用する必要がある
Web口座振替に対応していない金融機関を利用しているお客さま(利用者)もいるため、紙の口座振替依頼書での受付を残しておく必要があります。受付パターンが複数になり、管理が逆に煩雑になる可能性があります。
Web口座振替代行サービスの比較する時のポイント
Web口座振替代行サービスを利用する際の比較ポイントとして、課題に合ったものでなければ導入・運用を効率化することはできません。Web口座振替代行サービスを検討する際に比較すべきポイントについて解説します。
金融機関に対応数
多くのWeb口座振替代行サービスは、日本国内のメガバンク・主要ネット銀行ほぼ全てに対応していますが、一部の地方銀行・信用金庫・信用組合には対応していない場合があります。代行サービスによって対応している金融機関が異なるため、あらかじめ利用したい金融機関が対応できるか確認する必要があります。
代行サービスの中には、「マルチバンクサービス」という複数の銀行間で連携し、パソコン・スマートフォン決済が可能な仕組みを持つところもあります。異なる金融機関との取引がパソコン・スマートフォンの同一のインターフェースで利用できるため業務の大幅な効率化が期待できます。
コストを抑えられるか
代行サービスへの依頼で作業効率化ができたとしても、それ以上にコストがかかってしまっては本末転倒です。導入費用だけではなく、基本料や手数料についても確認し費用対効果を分析する必要があります。
システム接続方式
Web口座振替を自社サイトに導入する方法(接続方式)は、API連携とリンク型の主に2種類があります。
API連携は、自社のデザインに合わせて作成でき、かつシステムとシームレスに連携できるため高度なカスタマイズができますが、専門的なシステム開発が必要になり導入までの期間が長く、導入コストが高額になります。リンク型はURLを設置する程度のため、迅速かつ安価に導入できます。
まとめ:自社の課題に合った口座振替の導入を検討することが大切
事業者側のメリットやデメリットを紹介しました。口座振替によって代金回収が効率化できるという良い面もありますが、Web口座振替代行サービス導入により余計に手間がかかってしまわないようにメリット・デメリットの双方を鑑みて、自社の課題解決につながるか検討しましょう。
口座振替の導入方法が難しいと感じ、申し込みや運用が煩雑になってしまう不安がある場合、もしくは郵送やお客さま(利用者)先への訪問による人件費などが課題として挙がることがあります。これらを解決するにはWeb(オンライン)口座振替がおすすめです。ヤマトシステム開発の「Web口座振替受付サービス」であれば、スマートフォン・パソコンから口座振替の登録手続きが可能です。また、マルチバンク対応のため、都市銀行・地方銀行・ゆうちょ銀行・ネット専業銀行・JAバンクなどから口座を選択できます。代行サービスの選定に迷ったら、一度検討してみてはいかがでしょうか。
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