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OCR機能とは?活用方法や画像から文字起こしをするメリットを解説!

OCR機能とは?活用方法や画像から文字起こしをするメリットを解説!

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OCR機能とは?活用方法や画像から文字起こしをするメリットを解説!

画像データのテキスト部分を認識し、文字データ変換できるOCR機能を利用してどのようなメリットがあるかを解説します。

OCR機能とは

OCRとは、「Optical Character Recognition:光学的文字認識」の略称で、紙書類(伝票や新聞雑誌・ポスターのような印刷または画像編集された媒体)をイメージスキャナやデジタルカメラ等で読み込み、そのデータをコンピュータ処理が可能となる文字コードに変換する技術です。紙媒体の情報をコンピュータ処理するために自動でデータ化するために提供され機能がOCR機能です。 1960年代に郵便番号の読み取りで活用されてきた古い技術ですが、近年、精度が上がりお馴染みの名刺管理アプリや企業のペーパーレス化や業務効率のためのデジタル変換ニーズ増加もあり活用用途が広がっています。

OCRの活用方法について

ビジネスでは契約書や帳票をはじめ、発注書などの証憑が郵便やファクシミリなどの紙媒体でやり取りするケースがいまだに存在します。この情報は社内保管や販売管理システムなどの社内システムと連携しなければなりません。 紙媒体の情報をコンピュータ処理と連携するには、手作業でキーボード入力するか自動でデータ化するかの選択肢があります。この後者の自動化を担うのがOCR機能となります。 「改正電子帳簿保存法」が2022年に施行され、デジタルデータとして保管するニーズが高まったのもOCR機能導入を後押ししています。

OCR機能が文字認識をする仕組み

STEP1:スキャナで取りこみ scanning 新聞・雑誌・書類などの対象となる文書をイメージスキャナで読み込んで画像化します。 STEP2:レイアウト解析 analysis 新聞・雑誌は、単に文字が並んでおらず、段組みや表、図があり、標題があります。これを画像と文字領域を分離し、文字領域のみを認識対象として扱います。 STEP3:認識 recognition 文字領域から文字を1文字ずつ分解して認識していきます。 前処理として文字を一定の大きさに拡大/縮小(正規化)してから、分解した文字が持つ特徴を見つけます(特徴抽出)。見つけた特徴に合う文字パターンとマッチングさせ、前後の文字列や日本語の単語情報と照合し、画像がどの文字・数字であるかを特定していきます。 STEP4:出力 output 文字認識が終わると、画像がどの文字・数字であるかを特定します。そして多くのOCRツールはExcelやWord等で再利用できるように「元の文書と同じ形」で 出力できるフォーマットに変換して出力することができます。

OCR機能を利用して文書を電子化することにより企業が得られるメリット4点

・経営情報のリアルタイム性向上 ・作業の省力化による人員不足の改善、人件費の削減効果 ・ヒューマンエラーの減少・防止 ・保管スペースとコストの削減 および書類探索速度向上 それぞれのメリットとOCRの関係について解説します。

経営情報の鮮度化向上

受発注状況、在庫・売れ行き動向などの経営情報の反映が手作業と比較してリアルタイムに基幹システムへ反映され、経営情報として鮮度が高いものとなります。手作業では大量に捌けなくてもOCRであれば大丈夫です。

作業の省力化による人員不足の改善、人件費の削減効果

データ入力を手作業で行い入力チェックをするなどの事務作業をOCR導入による自動化によって従業員の負担を軽減できます。業務の改善につながり、その工数を別の業務に充てることも可能となります。

ヒューマンエラーの減少・防止

文字の入力時に、誤読やタイピング入力ミス、作業を長時間続ける場合の疲労などによりヒューマンエラーが発生します。また、法順守をしていても労働による腱鞘炎や腰痛、目の障害の引き金になりかねません。OCR機能を用いたシステムや、OCR機能のスキャナで書類の読み込みすることで、ヒューマンエラーの防止効果も期待できます。

保管スペースとコストの削減および 書類探索速度向上

従来、請求書や書類を紙媒体で管理・保管してきた場合は長期的に保管しなければならない物も多く、保管スペースの問題に直面するケースもあります。しかしOCRを導入すれば、紙媒体をイメージデータに変換するので、デジタル媒体で保管するほうが保管スペースは少なく済みます。(デジタル媒体化はOCR導入せずとも原本のイメージファイル・画像化をすることで実現可能)書類をデジタル媒体で保管しているので、倉庫へ行って段ボールをひっくり返す必要がありません。デジタル媒体へ保管する時のフォルダ名、ファイル名の規則を考慮すれば、即時に対象の画像データを探し出すことが可能となります。この仕組みがあれば、お客さまからの問い合わせ対応(手書きでの誤読ex.数量の3と8の間違いやお客さまの依頼伝票からの問題点の解決)も迅速になり、顧客満足度が上がると考えられます。

OCRのデメリット

OCRの認識能力の限界

類似文字や書き手の癖字、画数が多いために字が潰れてしまうなどの要因で誤読が発生します。

OCR機能のレイアウト転記の手間

OCRで読み込んだデータをExcelなどの帳票に転記する機能を用いる場合、帳票が変更になったり、新たなレイアウトが必要になったりしたとき、帳票のレイアウトごとに事前設定が必要となるため、非常に手間がかかります。

新たな人的工数の発生

デメリットを回避するには、目視によるチェックが必要になります。また、紙媒体はいずれ廃棄対象となりますが、スキャンした画像データが不鮮明でOCRによるデジタルデータ化に失敗すれば再スキャンなどで確認する必要もあります。その時に紙の書面を廃棄してしまうと原本がないという事態になりかねないため、OCR導入によってデータをチェックする作業が発生することが懸念されます。

OCRに向かないこと

手書きの字形は個人によって大きく異なるため、OCRでの誤認識が発生しやすいです。また、手書きでは定型レイアウトの伝票の記載枠から字がはみ出したり、走り書きも多いことから手書きは向きません。また、習字書体のフォントや文字色がカラーのものは読み取りづらい傾向があります。カラー原稿や黄ばんだ古い紙を利用した場合も、スキャンした段階で不鮮明となる傾向があり不向きです。

OCRのデメリットを補完するAI-OCRとは?

AI−OCRとは、人工知能(AI)技術を組み込んだOCRのことです。前述した通り、OCRは手書き文字には不向きな点が多いです。また、帳票から情報を読み取る場合は、帳票のレイアウトを事前に設定することが必要であるなど課題があります。こうしたデメリットを埋めるものがAI−OCRです。

AI−OCRがOCRよりも優位性があるのは、 ・「より正確に多様な文字を認識できる」  手書き文字やさまざまな書体・フォントの文字の認識が苦手ではない。 ・「より柔軟にデータ処理ができる」

 

AI−OCRはAI能力により、文書の内容を理解するので、帳票レイアウト設定しなくても適切な方法でデータを処理でき、しかも、その認識精度は利用するほど機械学習の効果が高くなり正確になっていきます。このように、AI−OCRはOCRが抱える誤認識の軽減や認識精度の向上が備わっています。

紙媒体からデジタル変換を行うサービスのご紹介

名刺de商売繁盛

社員の方々が持ち寄ったお客さまや日頃お付き合いのあるパートナーの名刺をデータベース化し、社内で一元管理できます。名刺の取り込みでOCR技術によるスキャンを行うことができるため、文字情報の登録もスムーズに行うことができます。

文書スキャニングサービス

段ボールやキャビネットなどに眠ったままの書類をデジタル化するサービスです。書類の回収から電子化、保管、廃棄、返却などの工程をすべて自社とグループ会社で完結しています。オプションでOCR読み取りによるデータ納品も行っており、読み取ったデータをフォルダ分けしたりファイル名を付けて加工したり、ご要望に合わせた形で納品することが可能です。

まとめ:

これまで莫大な紙媒体に頼った業務を遂行していた企業は、OCRの適用業務が拡大したこともあり導入が図られ、デジタルデータに情報形態を移すことで、本文中にあるメリットを企業は享受してきました。しかし、OCRだけではデメリットが顕在しているのも事実です。それを補完して余りあるAI-OCRの登場により、OCRの今後はさらに発展するものと期待できます。OCRの誕生自体は古いですが、技術向上と他のIT技術やサービスと連動することで活用用途は拡大し、企業にはより良い環境作りにお役に立てる機能を提供できます。また、例えば現状の二次元コード がなくてもポスターをスキャンすれば情報が提供されるツールとして個人ユースの活用が進むかもしれません。そう考えるとアイデア次第でサービスが生まれたり成長したりと、ITサービスの一部分を担う基盤技術の一つとしてOCR機能が存在します。

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