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銀行の業務を効率化するには?改善のアイデアと実現の具体例

銀行の業務を効率化するには?改善のアイデアと実現の具体例

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銀行の業務を効率化するには?改善のアイデアと実現の具体例

公開日:2023/03/22
最終更新日:2025/08/29

銀行における業務効率化は、お客さまニーズへの対応や非金融業界の参入による競争激化などの理由から、不可欠な取り組みです。一方、業務効率化には課題もあり、改善するための施策を行う必要があります。銀行において業務効率化が求められる背景や課題、改善のアイデア、効率化実現のための具体例を解説します。

 

1.銀行の業務効率化が求められている背景

銀行の業務効率化が求められている背景としては、主に以下の3つが挙げられます。

・お客さまのニーズ変化
・非金融企業の参入
・金融規制の強化
それぞれ詳しく解説します。

お客さまのニーズ変化

昨今のデジタル化の推進により、さまざまなサービスにおいて時間や場所を問わないオンライン上での手続きが可能になりました。銀行を利用しているお客さまも、普段からデジタル化されたほかのサービスを利用しており、特にスマートフォンを日常的に利用するお客さまは、銀行に対してもデジタル化の便利さを求めることは自然の流れです。銀行は、サービスに不便を感じているお客さまのニーズの変化に対応すべく、施策を講じる必要があります。

非金融企業の参入

非金融業界の企業が金融業界に参入することも珍しくありません。すでに多くのユーザを持つテックジャイアント企業も、金融業界へ参入をしています。テックジャイアント企業はすでにビッグデータを扱い、デジタル化も進んでいることから、今後も金融業界の競争は激しくなると予想されます。激化する競争の中で銀行が存在感を消さないためには、従来の手法を改めデジタル化を進めることが重要です。

金融規制の強化

金融システムの健全性および安定性を確保するため、世界的に金融規制が高度になっていることも、背景のひとつです。この高度な金融規制に対応するための新技術が必要となり、銀行自体のデジタル化は急務となっています。
今後もより高度化、または複雑化する金融規制に効率的に対応するためには、銀行のデジタル化による業務効率化が不可欠です。
地方銀行のデジタル化の取り組みについて以下の記事で紹介しています。

2.銀行の業務効率化における課題

銀行の業務効率化においては、主に3つの課題が挙げられます。
・書類作成や管理に時間がかかる
・業務工数が多く、不要なコストが発生している
・古いシステムが稼働している

以下で詳しく解説します。

書類の作成や管理に時間がかかる

銀行の業務はその性質上、法令やコンプライアンス要件を満たしたり、証跡として記録を残したりするために、とにかく書類が膨大になりがちで、書類の作成や管理に日々多大な事務作業が発生します。専門知識を持つ行員が、本来注力すべきコア業務ではないこのような事務作業に多くの手間や貴重な時間を割かれてしまう点が課題となっています。
お客さまが銀行のサービスを利用するための必要書類の作成、口座開設申込書や口座振替依頼書などのフォーマットが決まっているものもあれば、ローン借入申込書などお客さまによって異なる内容で作成が必要なものがあります。そのほかにも融資実行の可否判断に必要な書類、経費支出書、各種マニュアルなど日々多くの書類作成が発生しています。
また、必要な書類が見つからない場合、いったん作業を中止して行員総出で探し出す、といった作業が発生する場合もあります。書類の廃棄にも時間を割く必要があります。個人情報などの記載があり重要な書類は複数人で書類を確認してから廃棄するため、人員や時間を必要とします。

こうした業務に行員の時間を割かれてしまう状況は、コア業務に専念できないだけではなく、人件費の圧迫や、従業員のモチベーション低下にもつながりかねません。そのためにも業務効率化の実現が必要不可欠となります。

業務の工数が多く、不要なコストが発生している

銀行業務はお客さまの資産をお預かりするという社会的な重要性から極めて多岐にわたり、その一つひとつに高い正確性が求められます。窓口対応から書類作成・管理、入出金の処理など、あらゆる業務が多大に発生します。
銀行の収益の源泉となる預金業務や、融資先の審査・判断などは「コア業務」と呼ばれます。コア業務は、非常に複雑で時間を要するものです。融資の審査では、企業の将来性や事業計画を深く分析し、融資の可否を判断する必要があります。これらは銀行の収益を左右する重要な業務であり、行員は多大な時間と労力を投入する必要があります。
一方で銀行の利益には直結しない、名義変更手続きや行内ネットワークの維持管理や人事・経理など業務などの「ノンコア業務」も多く、業務時間が膨大です。
押印をはじめ、効率化されていない窓口対応にも時間がかかります。書類の印刷や紙の資料にかかるコストも少なくありません。
こうした不要な時間的コスト・資源的コストの削減は、銀行の業務効率化において大きな課題となっています。これらの「ノンコア業務」は、正確性が求められる一方で、手順がある程度決まっているため、標準化やシステム化して業務効率化しやすい業務もあります。コストを抑えつつ、より専門性が求められるコア業務に注力できるようになるのです。

古いシステムが稼働している

構築から長い時間が経過し現行の新技術に適応できていない、いわゆる「レガシーシステム」と呼ばれる古いシステムを使用している場合も、業務効率に大きな影響を及ぼします。新技術との比較で判断されるため、構築から何年経つかなど基準はありません。
レガシーシステムは金融業界に限らず業務効率化の壁となっています。新しいシステムとの連携が上手くいかなかったり、システムが複雑で肥大化しているため維持管理に莫大な費用がかかるなど、最新のセキュリティ基準に対応することが難しく、サイバー攻撃に対する脆弱性が高まる傾向があります。
たとえば、新しい金融サービスやスマートフォンアプリなどを開発しようとしても、古いシステムが足かせとなり、迅速な対応が困難になります。機能を追加・改修するにも、システム全体への影響調査やテストに長期間を要します。
保守・運用の技術を持つ従業員が、定年などを理由に退職してしまうことで、システムがブラックボックス化する懸念もあります。業務効率化の大きな妨げとなる古いシステムからの脱却は、早急に行うべき施策です。

3.銀行における業務効率化のアイデア

銀行業務において業務効率化を実現するには、どのような施策を行うべきなのでしょうか。以下の3つのアイデアについて解説します。

・業務委託の検討
・アナログ業務の自動化
・効率化ツールの導入

業務委託の検討

業務効率化を行う手法のひとつとして、従来行っていた銀行業務の一部を外部に委託する「アウトソーシング」があります。限りあるリソースで業務効率化を行うには、行内のリソース配分だけにとらわれず、アウトソーシングの活用も視野に入れるとよいでしょう。
アウトソーシングする場合は、利益に直結する「コア業務」と、コア業務を円滑に進めるための「ノンコア業務」に分類し、ノンコア業務を外部委託します。ノンコア業務は、定型化できる業務が比較的多く、外部委託することでリソースの大半をコア業務に集められます。なお、銀行により違いがありますが、ノンコア業務とは名義変更手続きや口座開設やローンの申込書類のチェック・データ入力などコア業務を円滑に進めるための補助的な業務に関わらず、行内ネットワークの維持管理や人事・経理などの業務が挙げられます。

アナログ業務の自動化

分析や戦略などの複雑ではない業務で、定型化された業務は自動化できる可能性があります。毎日行っているアナログな作業は、単純な割に業務量が多いという特徴があります。また、時間だけでなく人的リソースも割かれることが多いため、自動化することで業務効率化を図れます。
自動化にはツールを導入する方法もありますが、Excelの一連の操作を記録するマクロの記録から試してみることがおすすめです。時間がかかっていた単純な業務を簡単に処理できるようになり、人的ミスを大きく減少することができ、業務効率化が実現します。
ただし、記録したマクロの動作を後から修正するには、VBAの知識が必要になるため、マクロを組んだ担当者が異動や退職してしまうと、誰も修正できずに「ブラックボックス化」するリスクがあります。

効率化ツールの導入

システムやツールの導入も、業務効率化に大きな影響を与えます。たとえば、前述した通り定型化した業務の自動化や、リモートでのコミュニケーションを効率化するツールなどが挙げられます。また、銀行にとって大きな業務負担である、本人確認書類の回収や確認を行えるシステムもあります。 ツールやシステムの導入には、コストがかかりますが、適切に導入・運用できれば業務効率改善につながります。業務内容や課題などを洗い出し、銀行各社の目的や要件に合ったシステムやツールの導入を検討しましょう

4.銀行における業務効率化の具体例

銀行における業務効率化の具体例
一口に銀行の業務効率化といっても、具体的にどのようにすればよいか分からないという方も多いです。具体的な業務効率化の取り組みとして、4つ紹介いたします。

・本人確認書類回収サービスの導入
・RPAの導入
・Web会議ツールの導入
・チャットツールの導入

本人確認書類回収サービスの導入

本人確認書類回収サービスとは、銀行における重要業務であるお客さまの本人確認書類の回収をオンライン上で行えるサービスです。従来の本人確認書類の回収では、お客さまに郵送してもらったり、窓口に来てもらったりする必要がありました。書類の内容に不備や不足があった場合、修正や再提出の対応をお客さまへ依頼する必要があり、書類を再度送付するなど銀行、お客さま共に手間と時間が掛かっていました。

本人確認書類の回収と確認をスマートフォンやパソコンなどオンライン上で完結できることで、本人確認書類回収率の向上が見込めるほか、サービス利用開始までにかかる時間を短縮することも可能になります。本人確認書類回収サービスを導入すれば、業務効率化だけでなく、お客さまの満足度向上にもつながるでしょう。

RPAの活用

RPAとは、「Robotic Process Automation」の略語で、定型化された単純な業務を自動化するソフトウェアロボット技術のことです。
具体的には、文字の自動入力や決められたフォーマットの自動出力、ソフトおよびシステムの起動や操作、定型文の送信などが可能です。
銀行業務の中には、単純作業ながらも多大な人的・時間的コストを要する業務が数多く存在します。RPAにより一部の業務を自動化できれば、余ったリソースを重要業務に充てられるようになります。24時間365日稼働でき、人が手作業で行うよりもはるかに速くタスクを処理し、作業時間を大幅に短縮できます。データ入力やコピー・ペーストといった単純作業から行員を解放し、人的ミスを大きく減少することができます。
業務効率化が図れるだけではなく、これまで行員が行っていた作業をロボットに任せることで、人件費削減につながります。
RPA導入支援 | ヤマトシステム開発株式会社
https://www.nekonet.co.jp/service/rpa_onsite

Web会議ツールの導入

Web会議ツールとは、インターネット回線を利用してパソコンやタブレットなどの端末を用いて、物理的に離れた場所にいる人同士がリアルタイムで会議を実現できるツールです。映像や音声をリアルタイムで通信でき、資料を共有することも可能で、録画・録音機能もあるため議事録作成も容易にできます。単に遠隔地と会議を実現するだけでなく、現代のビジネスシーンにおいて不可欠なものとなりつつあります。
Web会議ツールを導入することで、会議のたびに全国の支店から集まる必要がなくなり、移動時間や交通費を削減できます。また、本店と支店での連携がしやすくなるというメリットもあります。

チャットツールの導入

チャットツールとは、インターネット回線を利用してリアルタイムでテキストが画像やファイルなどの送受信ができるツールです。従来のメールや電話と比較して、より即時性が高く、会話のような気軽なやり取りが可能なことから、現代のビジネスシーンにおいて不可欠な存在となっています。行内だけではなく、電話や来店を希望しないお客さまとの新たな接点として、チャット対応を望むお客さまとのやりとりにも活用できます。
チャットツールの導入による主なメリットとしては、従来、紙で印刷・回覧していたような社内通達や簡単な報告書を、チャットツールを利用することでペーパーレス化の実現、メールよりも気軽なコミュニケーションの活性化、迅速な情報共有が可能になることなどが挙げられます。また、災害時などの連絡手段にも活用可能です。

まとめ:ツールやシステムを導入して銀行業務を効率化しよう

銀行の業務効率化は、お客さまのニーズ変化や非金融企業による業界参入への対応だけでなく、強化された金融規制へ効率的に対応するためにも重要な取り組みです。業務効率化を実現するためには、本人確認書類の回収をWebで行えるサービスの利用やRPAの導入なども効果的です。

本人確認書類回収の効率化には、ヤマトシステム開発の「証明書類Web取得サービス」がおすすめです。最短即日で証明書類が取得できることから、業務負荷を軽減し、書類取得のリードタイムを短縮できます。

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