パソコンリプレイスはいつ?適切な時期や手順を徹底解説

多くの企業は定期的にパソコンリプレイスを行っています。パソコンには購入や導入、運用、保守、そして廃棄まで一連のライフサイクルがあり、それぞれの段階でさまざまな管理作業が求められます。このライフサイクル全体を前もって理解することで、どのパソコンをいつリプレイスするべきか計画が立てやすくなり、結果として管理作業の効率化を図ることできます。
ここではパソコンリプレイスのタイミングや方法、アウトソーシングのメリットについてご紹介します。
パソコンリプレイスとは
パソコンリプレイスとは、老朽化したパソコンを新しい機種に交換することを意味します。企業や組織において、パソコンは業務遂行に欠かせない重要なツールです。しかし、パソコンは消耗品であり、長期間使用していると新技術も増え最新のパソコンに比べて性能が低くなり、故障するリスクが高まります。
リプレイスは、パソコンの不具合の有無に関わらず定期的に実施されるべきです。パソコンがまだ機能している状態で新しいものに交換することは、表面上は無駄に見えるかもしれません。 しかし、パソコンがエラーやトラブルで動作しなくなった後にリプレイスを行う場合、システムの一時的な停止により業務への影響が生じる可能性があります。このような状況を避けるため、定期的なパソコンリプレイスが必要です。
パソコンリプレイスの4つの方法
パソコンリプレイスにはいくつかの方法がありますが、代表的な4つの方法を紹介します。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、 自社の状況に合わせて最適な方法を選択することが大切です。
一括移行方式
一括移行方式は、稼働中のパソコンを一度に新しいパソコンにリプレイスする方法です。
一度に全てを入れ替えることで、コストや時間を最小限に抑えることが可能です。さらに、ハードウェアやソフトウェアが完全に更新されることで、現在抱えている問題も一括で解決できます。万が一、リプレイスが失敗した場合でも、迅速に元のシステムに戻すことができ、リスクをある程度回避することが可能です。
しかし、最大な懸念点は、リプレイス作業中は全てのパソコンが使用不可能となり、その間業務が停止せざるを得ないことです。また、全てを一度に刷新する方法は、以前のシステムとの比較が難しくなるため、新たなエラーやトラブルの発生が高まるという問題もあります。
平行移行方式
平行移行方式は、稼働中のパソコンと新しいパソコンを並行してリプレイスする方法です。
システムの更新や移行において、常時稼働する方法を採用することには、さまざまなメリットがあります。この手法では、一方のシステムを更新している間ももう一方が稼働し続けるため、システム全体や業務を停止させる必要がありません。
また、二つのシステムを並行して稼動させることで、直接比較し互換性の検証を行うことで、新旧システム間での問題点の早期発見にもつながります。新しいシステムへ完全に移行する前に、その動作を確認することができるため、トラブルの発生リスクを低減します。
しかし、二つのシステムの稼働状況を比較し、理解するためには、一定レベルの知識が不可欠です。また、2つのシステムを同時に稼働させるため、その分のコストがかかります。この方式はシステムの詳細に精通した専門家が必要となり、プロジェクトの複雑さが増す原因にもなりえます。
パイロット方式
パイロット方式は、一部の部署やチームを対象に新しいパソコンを導入し、その運用状況を検証してから全社のパソコンをリプレイスする方法です。
本番環境で運用し、課題とその解消方法を蓄積してから全社のパソコンをリプレイスするためエラーやトラブルを最小限に抑えられます。また、新旧のシステムを本番環境で比較することで、エラーの原因をより明確に特定しやすくなります。
しかし、検証作業を行う必要があり、これが企業全体への展開を遅らせる原因となります。検証作業は時間と手間を要し、さらに検証用の専用スペースを準備する必要があるため、追加のリソースが必要になります。
段階移行方式
段階移行方式は、既存のパソコンを段階的に新しいパソコンにリプレイスする方法です。
この方式では、一度に全てを更新するのではなく、業務・機能など小さな単位で作業を少しずつ複数回に分けてリプレイスを行うため、エラーの出る可能性が低くなり、万が一問題が発生してもその原因を特定しやすいというメリットがあります。
しかし、更新作業を少しずつ複数回に分けて行う必要があるため、コストや手間、多くの時間が必要となります。さらに、一定期間、システムが新旧混在の状態となるため、システム管理が複雑になり、社員が混乱を引き起こしかねません。
パソコンリプレイスを行う最適なタイミング
法人パソコンリプレイスは3~4年周期が一般的ではありますが、パソコンリプレイスを行うタイミングを考えるうえで、 重要なのは「ライフサイクルマネジメント」です。
パソコンリプレイスにおける「ライフサイクルマネジメント」とは、企業で使用するパソコンの企画や提案、購入や導入・キッティング、日常の運用・メンテナンス、そして最終的にはデータ消去や廃棄に至るまでの一連の手続きのことです。業務の効率化やコスト削減のために、計画的かつ効果的に管理するという考え方です。この考え方を通じて、企業はパソコンを最適な状態で維持し、全体的な経済性と生産性の向上を目指します。そのため、「ライフサイクルマネジメント」を考慮したうえで、パソコンリプレイスを行う最適なタイミングを見極めることが重要です。

パソコンリプレイスを行う最適なタイミングとしていくつかの判断基準がありますが、代表的なものは以下の3つです。
法定耐用年数を基に判断
パソコンの法定耐用年数が4年(サーバ用は5年)と定められていることを考慮すると、法定耐用年数をパソコンリプレイスタイミングの目安とするのは妥当です。
維持コストを基に判断
通常、パソコンは初期不良が発生しやすいものの、その後は比較的安定することが多いです。しかし、使用を続けるうちにハードディスクの摩耗やファンの故障、ノートパソコンの場合はバッテリー寿命の到来などにより、数年経過すると故障率が上昇することがあります。
また、パソコンのメーカー保証期間が終了すると、以降の故障時には修理費用の負担が高額になる可能性あります。修理にかかわる費用を支払うよりも、新しいパソコンへのリプレイスなどの投資やレンタルサービスの利用の方が費用を抑えられる可能性があります。
交換せずに使用を続けるリスク
長期間にわたって同一のパソコンを使用し続けると、さまざまな問題が起こります。時間とともに蓄積されたデータが多くなり、パソコンの処理速度が遅くなることがあります。パソコン内部の電子機器の劣化でフリーズが多くなり、長期間の使用による熱やホコリなどの影響を受けて、正常な動作ができなくなっている可能性があります。徐々に調子が悪くなり動作していても、時間が経つと完全に起動しなくなり、電源が入らないなどの深刻なエラーにつながることも考えられます。
このようなリスクを避けるため、問題が生じる前にパソコンリプレイスを実行することが大切です。
パソコンリプレイスをアウトソーシングするメリット
パソコンリプレイスは、企業にとって重要なプロジェクトです。しかし、自社で行うには膨大な時間と労力が必要です。そこで、アウトソーシングを行う場合の主なメリットを3つ紹介します。
コストを削減
面倒なキッティング作業などを外部の業者に任せることで、パソコンがすぐに使用できるようになり、社内のシステム管理者の作業負担軽減につながります。
社内のシステム管理者の作業負担が多いため遅れていたシステム体制の強化や効率化が、アウトソーシングを行うことでスムーズに実施することが可能です。
パソコンリプレイス作業をアウトソーシングすることは、コスト削減だけでなく効率的な運用へとつながる実用的な策と言えるでしょう。
人手不足の解消
人手不足に苦しむ企業にとって、パソコンリプレイスの際にも人員の確保は困難です。このような状況で、パソコンリプレイス作業をアウトソーシングすることは、効果的な解決策となります。外部の専門家による作業を委託することで、社内に専用の部署を設ける必要がなくなり、人件費削減にもつながります。
さらに、業務のニーズに応じたリプレイスプランの提供を受けることで、業務の効率化が促進され、結果として人手不足問題の緩和にも貢献することが期待できます。
セキュリティ対策の強化
パソコンやソフトウェアは古くなると、性能の低下や故障のリスクが高まるだけでなく、最新のアップデートに対応できず、セキュリティの弱点が生じることがあります。そこで、適時にリプレイスを行うことが重要ですが、その手順は正しく行う必要があります。正しい手順にてアップデートするためには、自社内で行うよりアウトソーシングが有効です。アウトソーシングサービスを利用することで、リプレイスにかかる時間や費用を抑えつつ、セキュリティ対策を強化し、適正なタイミングでのリプレイスが実施できます。
「IT資産運用最適化サービス」でPCライフサイクル最適化に
企業の業務内容によっては、リプレイスの頻度やタイミングには差が出ます。例えば、経理、営業、図面制作などの業務ではパソコンの求められる性能が異なり、特にセキュリティやソフトウェアの互換性も考慮する必要があります。パソコンの性能が低下したり、故障が増加したり、古いオペレーティングシステムを使ったりしている場合は、新しいパソコンへのリプレイスを検討すべきサインと言えます。
ヤマトシステム開発は、企業のパソコンなどのIT資産のライフサイクルマネジメントをワンストップで支援する「IT資産運用最適化サービス」を提供しています。このサービスは、ヤマトグループが持つ専門知識を活かし、企業のIT資産の運用と管理を最適化するためのPC-LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスです。「IT資産の導入支援や調達」「キッティングから配送」「データ消去からレンタルの返却」まで、IT資産の始まりから終わりまでのプロセスをトータルでサポートし、シームレスな運用をお手伝いします。
まとめ:パソコンリプレイスのご検討ならヤマトシステム開発にご相談を
パソコンリプレイスをアウトソーシングすることで、コスト削減や人手不足の解消など多くのメリットを得ることができます。ただし、最適なパソコンライフサイクルを目指す場合は、リプレイスの実施だけでなく、運用保守などの段階も重要視する必要があります。
パソコンリプレイスを行う際には、資産管理、運用支援、セキュリティ管理などの観点から一元的なサービスを提供できるヤマトシステム開発の「IT資産運用最適化サービス」をご検討ください。
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