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銀行や金融機関がペーパーレス化を成功させる手順と具体策

銀行や金融機関がペーパーレス化を成功させる手順と具体策

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銀行や金融機関がペーパーレス化を成功させる手順と具体策

紙の文書や書類を電子化することを「ペーパーレス化」と呼び、銀行・金融機関もペーパーレス化が大きく進んでいます。ペーパーレス化のメリットは業務効率化やコスト削減など数多くありますが、銀行や金融機関がペーパーレス化を成功させる手順や具体策を解説します。

 

1.銀行・金融機関のペーパーレス化が進んでいる背景

銀行・金融機関のペーパーレス化が進んでいる背景には、少子高齢化に伴う人口の減少や長期間続く低金利状態があります。多くの地方銀行が赤字になる現在、文書に使う紙の大量消費はコストも大きく、業務の煩雑さに拍車をかけているため、多くの金融機関でペーパーレス化が急務となっています。

また、政府によるペーパーレス化の推進も理由のひとつです。 2005年には法定文書の電子保存を認めるe-文書法が、2022年1月には改正電子帳簿保存法が施行され、e-メールなどオンラインで授受した帳簿書類の電子保存を義務づけるなど、政府はSDGs達成の一環としてペーパーレス化を積極的に推進しています。

2023年現在も銀行をはじめとした金融機関では業務で大量の紙を消費・管理しているため、ペーパーレス化により業務のさまざまな場面でメリットを享受できます。

2.銀行・金融機関がペーパーレス化に取り組むメリット

銀行・金融機関がペーパーレス化によって得られるメリットは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

業務効率を高められる

まず、ペーパーレス化により業務効率が大きく向上します。 紙の書類では保管スペースに大きな容量を割いてしまうため、必要な書類を見つけ出してスピーディーに取り出すことができません。しかし、電子 データであれば素早く検索、抽出できるため必要なときにすぐ取り出せます。

また、電子データであれば内容の修正も容易です。端末上で操作すれば修正できるため、消して書き直す、印刷し直すといった手間が発生しません。 さらに、いつでも好きなタイミングで書類を閲覧できるのもメリットです。紙の場合、誰かが書類を使用している間はほかの従業員は閲覧や使用ができません。一方、オンラインでアクセスできる電子データであれば、複数人による同時閲覧や使用が可能です。

コスト削減と保管スペースの削減につながる

書類や資料の作成には大量の紙を使用するため、相応の費用が発生します。 用紙代以外にも、印刷代やインク代・郵送代などのほか、印刷作業や封入作業といった人的コストも含まれてしまう以上、費用はどうしてもかさんでしまいがちなので、決して軽視できません。 もしペーパーレス化すれば、上記のようなコストの削減が可能です。今まで当たり前のように発生していたコストを圧縮できるため、利益の増加につながります。

保管スペースの削減につながるのもメリットです。電子データであれば端末やクラウドで管理できるため、物理的な保管スペースが必要ありません。オフィスのスペースを別の用途に有効活用できるほか、オフィスの規模を縮小することも可能です。

環境保護への貢献につながる

近年では、SDGs(持続可能な開発目標)へ積極的に取り組む企業が増えています。ペーパーレス化への取り組みは、このSDGsに貢献できる取り組みです。

木から作られる紙の使用を制限するペーパーレス化は、SDGsの17の目標のうち、「12 つくる責任・つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」「15 陸の豊かさも守ろう」に関連します。さらに、この取り組みは間接的に森林を保護することにもつながります。

このようなSDGsや環境保護に関する取り組みは世間から注目されることも多いため、そこに貢献できる取り組みを行うことは、結果的に企業価値の向上にも大きな効果をもたらすでしょう。

セキュリティを強化できる

ペーパーレス化により、紛失や盗難のリスクがなくなるといった視点から、セキュリティ強化が可能な点もメリットのひとつです。

外出先で従業員が書類を紛失してしまったことで個人情報や機密情報が漏えいし、社会的信頼を失うこともあり得ない話ではありません。 一方、電子データはデータへのアクセス制限やログ管理を徹底していれば簡単に外部へ持ち出せないため、紙の書類に比べデータを安全に管理できます。

また、管理に要する手間や労力を軽減できるのも魅力です。重要書類を保管するとなれば、専用のスペースを用意し担当者も設置しなくてはなりません。電子データなら管理が容易であり、労力・時間の削減につながります。
セキュリティを強化できる

3.銀行・金融機関がペーパーレス化を成功させるための手順

銀行・金融機関におけるペーパーレス化にはさまざまなメリットがありますが、実際にペーパーレス化を導入するには一定の手順を踏まなければなりません。導入の際は手順をひとつひとつクリアしながら進めましょう。

Ⅰ. ペーパーレス化の重要性を共有する

ペーパーレス化は、社内一丸となって取り組むべきことです。そのため、なぜ取り組みを進めるのか、重要性を社内で共有することはとても大切なポイントです。重要性や必要性を伝えないと、従業員は何のために取り組むのかよくわからず、場合によっては反感を招くおそれすらあります。

ペーパーレス化の影響を受けるのは現場で働く従業員です。取り組みによりどのようなメリットを得られるのかも併せて説明すれば、従業員の理解が得られやすくなります。 必要性や重要性、メリットなどを全従業員で共有できれば、社内一丸となってペーパーレス化の実現も決して難しいことではありません。

Ⅱ. ペーパーレス化を実現するための体制を整える

まずペーパーレス化を進める前に、体制を整える必要があります。ほかの業務との掛け持ちではなかなか進まないため、専任のリーダーやメンバーを選出したうえで進める手法がおすすめです。

また、いつまでにペーパーレス化を実現するのか、スケジュールも決めておくことも重要です。スケジュールや期限が決まっていないと、ダラダラと取り組みを進めてしまうおそれがあります。

Ⅲ. 課題を整理して改善の優先順位を決める

社内で発生している課題を抽出するプロセスです。たとえば、紙の書類で稟議を行っているため申請から承認までに時間がかかる、必要な書類をスピーディーに取得できない、書類管理に多額のコストが発生している、といった課題などが考えられます。

紙を使用する業務に関わる課題を抽出・整理したら、どれから手をつけるのか優先順位を決めましょう。大きな改善効果が期待できる課題や、緊急性を要するものから優先的に着手します。

Ⅳ. 課題解決に合ったサービスやツールを導入する

ペーパーレス化を実現するためには、ITツールを導入しなければなりません。 ペーパーレス化につながるITツールやサービスは多々あるものの、達成したい目的や解決したい課題によって、必要となるスペックは異なります。

たとえば、紙の稟議書の作成に時間がかかりすぎている、といった場合はワークフローシステムの導入が最適ですし、必要な書類を必要なときにすぐ取得できない・閲覧できないといった課題を解決したい、といった場合は、オンラインストレージの導入で解決できます。

優先的に解決すべき課題に対応できるサービスやツールをピックアップし、機能やコストなどを比較しつつ選定を進めましょう。

4.銀行・金融機関がペーパーレス化を推進するための具体策

実際に銀行・金融機関がペーパーレス化を推進する際には、どのようなシステムやサービスの導入が必要なのでしょうか。

書類回収サービスの導入

ペーパーレス化には、運転免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類を、オンラインで回収できるサービスの導入が有効です。従来はお客様に書類のコピーを郵送してもらったり、窓口で原本を持参してもらったりして本人確認を行っていましたが、お客様と銀行それぞれの負担が大きく、時間や労力がかかってしまっていました。

書類回収サービスの導入により、各種ローンの申込み・手続きがオンラインで完結できれば、銀行も書類回収の手間がかからずお客様の負担も減らせます。

文書管理システムの導入

文書管理システムとは、電子化した文書を一元管理できるシステムです。

電子データは数が増えれば増えるほど管理に工数がかかり、必要なデータと必要性の低いデータが混在してしまうケースも珍しくありません。ペーパーレス化に取り組むメリットでも触れた通り、文書管理システムを導入すれば、一元管理により担当者の工数が軽減できるほか、自動分類機能によりデータの検索自体も容易になるため、必要なときスピーディーに目的の文書へアクセスできるのがメリットです。

オンラインストレージの導入

オンラインストレージの導入もペーパーレス化に有効です。クラウド上のストレージへ電子データを保存できるようにすれば、紙の書類をファイリングする工数を削減できるため、業務効率化につながります。

また、ストレージの導入により、複数人が異なるデバイスからひとつのファイルへ同時にアクセスし作業や確認を行うといったことも可能です。

関連サービス

帳票Web配信サービス
証明書類Web取得サービス
Webのみで本人確認書類回収完了し業務の効率化を実現!申し込みに必要な各種書類の取得、書類の目視確認も可能です。

5.銀行・金融機関におけるペーパーレス化の成功事例

銀行・金融機関におけるペーパーレス化の成功事例
すでに多くの銀行・金融機関がペーパーレス化に取り組んでおり、成果を上げているところもあります。以下、具体的な成功事例をまとめているので、ペーパーレス化の導入の参考にしてください。

株式会社みずほ銀行

株式会社みずほ銀行は全行員へタブレット端末を配布し、紙のマニュアルから電子マニュアルへとシフトしました。従来は紙の業務マニュアルを作成、配布していましたが、タブレット端末の配布をきっかけに動画コンテンツをメインとした電子マニュアルに切り替えたことで、運用もスムーズになりました。

株式会社みずほ銀行のペーパーレス化の成功事例
https://itutor.jp/news/detail/post-8348/

株式会社大分銀行

株式会社大分銀行もペーパーレス化を成功させた金融機関のひとつです。 同行では物品の預かり業務や管理業務をシステム化してペーパーレスを進め、人件費や各種コストの削減に成功しました。

同行ではすでにタブレットパソコンを導入していたため、ペーパーレスの取り組みによる業務量やコストの削減を実現できると判断したとのことです。取り組みを進めた結果、お客様の情報を行員がタブレットで管理できるようになり、業務負担やヒューマンエラーの削減にもつながりました。

株式会社大分銀行のペーパーレス化の成功事例
https://www.bankneo.jp/information/detail.html?id=18

まとめ:ペーパーレス化でDXを推進しよう

このように、ペーパーレス化を促進することによって銀行・金融機関は業務効率化やコスト削減、イメージアップなどの多くのメリットを得られます。また、ペーパーレス化はDX(デジタルトランスフォーメーション)のひとつのため、これを機に社内の諸問題をDXにより解決してみてはいかがでしょうか。

そしてもしペーパーレス化による本人確認業務の効率化を検討しているのなら、「証明書類Web取得サービス」がおすすめです。オンラインで本人確認書類を回収でき、ペーパーレスにつながるほか機会損失も回避できるので、ぜひご検討ください。

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