プレスリリースをFAXで配信する方法とは?メリット・デメリットなどを解説

自社のイベントや商品などに関するお知らせをメディアに取り上げてもらうため、日頃からプレスリリースを発信している企業は多いでしょう。プレスリリースを送る方法はいくつかありますが、今回はFAXで配信する手順やそのメリット・デメリットについて解説していきます。
プレスリリースとは?
プレスリリースとは、企業や組織が発表する公式文書のことを指します。
新商品の発売や新サービス、イベントや展示会の開催情報、新規事業の開始や経営などの企業情報をニュース素材としてメディアの記者が利用しやすいように資料などにまとめたものです。
企業が自社の情報をステークホルダーや社会に届ける重要な手段で、世の中に広く知ってほしい新情報を伝えるために活用されます。
元は、「プレス(press 報道機関)」と「リリース(release 発表・公開)」の言葉を組み合わせた造語が語源といわれており、言葉の通り、本来はマスコミなどのメディア向けに企業から新情報を発表する「行為」を意味していました。
現在は、企業から発表する公式文書自体が「プレスリリース(press release)」と呼ばれています。
プレスリリースを配信する手段とは
プレスリリースを配信する手段は多様化していますが、プレスリリースの配信手段には、大きく分けて5つの方法があります。
- 記者クラブへの投げ込みをする
- 自社のメディアリストに配信する
- 配信代行サービスを利用する
- PR会社に依頼する
- ホームページなどの自社の媒体に掲載する
それぞれ特徴があり、配信したいニュース内容やターゲットとするメディアによって使い分けることが重要です。
このうち、メディアへ配信する手段としては以下の方法が挙げられます。
- FAXで配信する
- メールで配信する
- 郵送する
- 電話で直接連絡する
- ホームページのお問い合わせフォームから送る
現在の主要はメール配信ですが、FAX配信もまだまだ利用されており、主要な配信手段の1つと言えるでしょう。
FAXを活用することの多い業界の傾向とは
FAXは、近年ではメールの普及により利用頻度が減少傾向にあります。しかし、依然としてメディア業界ではFAXを活用しているメディアも存在しています。
理由としては、メディアに根付いている紙文化との親和性が高い点に加え、メールと違ってウイルスに感染するリスクも低く、送信元の情報が明確なため情報の信頼性や確実性が高いことが挙げられます。
特に、FAXを活用することの多いメディアとしては、テレビや新聞などの伝統的なメディア、医療や建築、農業などの専門分野に特化しているメディア、地方のローカルメディアなどが挙げられます。
これらのメディアでは、紙の資料を重視する傾向が強く、FAXでプレスリリースを送信することで、確実な情報伝達が可能となります。
プレスリリースを記者クラブへ投げ込む場合
プレスリリースは配信サービスの利用やメディアへ連絡を取る以外に、「記者クラブへの投げ込み」を行う方法でもメディアへ届けることができます。
「投げ込み」とは広報業界の業界用語です。テレビ局や新聞社など大手メディアが中心となって構成されている記者クラブに直接プレスリリースを持ち込むことを指しており、一度に複数のメディアに情報を届けることができます。
実際、記者クラブへの投げ込みを行う場合にはどのように行うのでしょうか。
記者クラブへの投げ込みを行うには
- プレスリリース作成
記者クラブへの投げ込みを行う際には、最初に投げ込みを行いたいプレスリリースの作成を行います。
記者クラブの記者は「それぞれのテーマに応じた社会性の高い情報を求めている集まり」だということを念頭に置き、記者クラブへの投げ込みで記者から興味を持ってもらえそうな内容を意識して作成しましょう。 - 記者クラブへの事前確認
プレスリリースが完成したら、次に記者クラブへ連絡を取ります。事前連絡なしで投げ込みを受け付けている記者クラブもありますが、記者クラブによって投げ込みの方法やルールが異なるため、事前に連絡を行って投げ込み方法や時間などの確認を取りましょう。その際、以下に記載する項目は確認しておくと良いでしょう。- 企業名と担当者名
- プレスリリースの必要部数
- 配信可能日
- 投げ込み方法
- 記者への挨拶回りが許可されているか
- 記者クラブへ投げ込みを行う
最後に、確認した内容を元に、記者クラブへ投げ込みを行いましょう。
投げ込みだけを行って帰ることも可能ですが、記者がいる場合に名刺交換や詳細の説明を行うことが可能な記者クラブもあります。挨拶回りが許可されているようであれば、必要に応じて実施しましょう。
記者クラブへの投げ込みを行うメリットとは
記者クラブへの投げ込みは、一度に複数のメディアへ情報を届けることができる点にあります。また、普段は接点のない記者とも関係を持つことができるため、自社のメディアリスト外にアプローチできる可能性が広がります。
また、記者クラブごとに特定の業界に特化した情報を取材しているため、アプローチしたい業界の広報担当者にアプローチできます。記者の興味関心のある分野が定まっているため、自社の広報内容に合わせてアプローチ先を絞った効率的な広報活動が可能です。
さらに、記者クラブへの投げ込みでは、プレスリリースのコピー費用と移動費用以外にコストがかかりません。
記者クラブへの投げ込みにはデメリットもある
一見するとメリットばかりに見える記者クラブへの投げ込みですが、デメリットもあります。
記者クラブに投げ込みを行う場合には、事前連絡を行ってルールの確認や日程の調整を行い、直接記者クラブへ足を運ぶ必要があります。
プレスリリースを作成するだけでなく、事前確認や日程の調整を行って記者クラブまで足を運ぶというのは、業務上の大きな負担となってしまうでしょう。
記者クラブへの投げ込みはメリットとデメリットを十分に理解したうえで、活用することが重要です。
記者クラブへ投げ込む場合の注意点とは
記者クラブへの投げ込みはプレスリリースを多くの報道機関に同時に配信できるため、効果的な広報手段の一つですが、実施する際には、いくつかの注意点があります。
- 記者クラブのルールに従う
手順や禁止事項などが記者クラブごとに違う場合があります。ルールに従わない場合、ブラックリストに入れられてしまい、投げ込みが実施できなくなる可能性があるため、注意しましょう。 - プレスリリースの内容はその記者クラブに合うものを選ぶ
記者クラブは各業界団体や官公庁に設置されているように、社会性や公共性の高い情報を求めています。投げ込みの際には、プレスリリースの内容が記者クラブと特性と合っているか確認をしましょう。 - 広告や宣伝は投げ込みをしない
記者クラブは無料で宣伝を行う場所ではありません。宣伝や広告はチラシであり、プレスリリースとは違うものなので投げ込みを行わないよう注意が必要です。 - 投げ込みをするプレスリリースや情報は統一を行う
複数の記者クラブへ同じプレスリリースを投げ込む場合もあると思いますが、全ての記者クラブへ統一した内容や資料を届けるようにしましょう。
また、記者クラブに所属の一部メディアにのみ渡すというのはNGです。一部メディアにだけ情報を渡したい場合には、記者クラブではなく直接メディアへ持ち込みを行いましょう。
適切に記者クラブへ投げ込みを行う上で、これらの注意点を守ることが大事です。
プレスリリースをFAXで送る場合
記者クラブへの持ち込みではなく、各メディアへプレスリリースをFAXで送る場合にはどのようなメリットや注意点があるのでしょうか。FAXで送る場合についても、見ていきましょう。
FAX配信はこのような点に注意
FAX配信を行う際には、以下の点に注意する必要があります。
- 文字が潰れないよう、大きめのフォントサイズや視認性の高いフォントの使用を意識する
- FAX受信記録に本文が被らないよう、上下の余白にゆとりをもたせる
- メディア側の負担を考慮して、A4用紙1枚になるべく収める

FAX配信を有効活用するため、注意点を意識して読みやすいFAX原稿を作成してメディアに送付しましょう。
また、最近はペーパーレス化に伴ってFAXを受け付けないメディアもあるので、その点にも注意が必要です。
FAX配信は必要なのか
そもそも、FAX配信が現在も使われているのはなぜでしょうか。
メールやSNSなどによる情報共有も盛んで、プレスリリースもメール配信が主流になりつつありますが、FAXで受け付けているメディアも依然として多く存在しています。
伝統的なメディアにFAX文化が根付いている理由としては、電子のプレスリリース文書では実際に取材を行う際に情報を書き込むことがむずかしく、会議や原稿執筆時などに手間が増える点があるようです。
また、メールなどの電子媒体の場合は開封しなければ見ることができないため、毎日、大量にプレスリリースが送られてくる記者たちは、内容を確認する際にFAXより時間や手間がかかります。
メールなどの電子媒体から配信する場合のデメリットをFAX配信によって補うことができるので、現在もFAXによるプレスリリース配信が活用とされていると考えられます。
FAX配信が活躍する場面とは
FAXは送るとすぐメディア側で受信されるため、開封の手間がないためメールよりもすぐに目に入りやすく、郵送よりも早くに届けることができます。
そのため、情報共有を迅速に行う必要がある場合や、確実に情報をメディアに届けたい場合に、FAX配信は有効な手段と言えます。 特に、重要なビジネス情報の共有などの緊急性の高い情報を迅速に共有する必要がある場合に活躍します。
FAX配信のメリットとは
プレスリリースをFAXで配信する場合のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
FAX配信のメリット
- 速報性がある
FAXは送ればすぐメディア側に受信されます。 - 確実な配信ができる
メールソフトによってスパム扱いされる可能性のあるメールと違い、FAXは確実にメディアの元へ届けることができます。 - 目に留まりやすい
開封のステップがないので、一目で文章とともにロゴやビジュアルが目に入ります。
また、印刷の手間もないため、メディアの関係者内で回覧してもらいやすいです。 - 活用してもらいやすい
FAXは紙媒体のため、印刷をしなくても直接書き込むことができます。そのため、取材時のメモや記事の添削、会議への持ち込みなどの点で活用してもらいやすいことが考えられます。
FAX配信のデメリットとは
一方で、FAX配信にもデメリットが存在しています。デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
FAX配信のデメリット
- 画像、写真がモノクロになる
FAXで配信したプレスリリースは白黒で印刷されます。そのため、画像が重要なものや、画像でインパクトを出したいものには向かない可能性があります。
また、図や画像が潰れて見えにくくなることもあるので、事前に社内送信などで確認すると良いでしょう。 - 受信側の紙を消費する
FAXは受信側の紙を消費して印刷されるため、紙代やトナー代のコストがかかります。最近はペーパーレス化を実施しているメディアもあります。 - 素材として加工しにくい
紙に印刷されている画像は加工しにくいという点があります。また、FAXに記載されているURLなどもアクセスしづらいため、いかにメディアに興味をもってもらえる表現ができるかが重要なポイントとなるでしょう。
プレスリリースをFAX配信する場合のメリットとデメリットを把握した上で、配信手段を検討することが大事です。
FAXで配信するには
FAXでプレスリリースを送る方法としては「印刷したプレスリリースを直接FAXする」、「クラウド型のFAXサービスを利用する」「プレスリリース配信サービスを利用する」の3種類が挙げられます。
FAXで送信する場合には、基本的に以下の手順で送信します。
- 配信先FAX番号を調べ、送付先リストを作成する
- プレスリリースを作成し、原稿をFAX用紙に印刷する
- FAXに原稿をセットし、送付先のFAX番号へ送信する
※クラウド型のFAXサービスやプレスリリース配信サービスを利用する場合には、サービスごとに操作方法や手順が違います。
FAXの送信先を調べる際には、メディア各社のホームページなどを確認するほか、「iタウンページ」での検索や「広報・マスコミハンドブック」などの冊子を利用して確認すると良いでしょう。
まとめ:プレスリリース配信の効率化には、FAX配信サービスの利用も検討しよう
プレスリリース配信にはさまざまな手段がありますが、その中でもFAX配信はコストを抑えながら多くのメディアに情報を届けることができる効果的な方法です。特に、地方紙や専門誌などのメディアはFAXでの情報収集を積極的に行っているため、FAX配信はリーチ力の向上に大きく貢献します。
また、記者への投げ込みなどとは違い、現地へ持ち運ぶ必要がありません。また、FAX配信時には宛名の差込印字も可能であるため、複数の記者クラブへ送付する際にも1か所ずつ送付する必要がなく、業務上の負荷も軽減されるでしょう。
FAX送信設備のない企業もあると思いますが、現在は自前のFAX回線が不要なFAX配信サービスを提供している企業もあるため、これらのサービスを利用することでFAX配信が可能です。
FAX配信を検討されている場合には、そういったサービスの利用を検討されてみてはいかがでしょうか。
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