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古物商の本人確認業務は注意が必要!理解すべき古物営業法と犯罪収益移転防止法

古物商の本人確認業務は注意が必要!理解すべき古物営業法と犯罪収益移転防止法

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古物商の本人確認業務は注意が必要!非対面で行う方法をご紹介

公開日:2023/03/21
最終更新日:2025/12/22

ユーズド品やリサイクル品など中古品(古物)を販売する「古物商」にとって、お客さまの本人確認作業はとても重要です。この作業を怠ると、営業停止だけでなく刑事罰の対象にもなるため、古物商は本人確認の作業内容と、そこに関連する法律について知っておく必要があります。
本記事では、古物商における本人確認業務の重要性と、古物営業法や犯収法との関係などについて説明します。

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古物商が本人確認業務で知っておきたい古物営業法とは?

古物営業法とは、古物を売買する際に守らなければならない決まりをまとめた法律で、下記のように定義されています。

古物営業法 第一章 総則(目的)第一条
この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もって窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。


古物の取引を行うと、取り扱う商品の中に盗品などの犯罪被害品が紛れる可能性があります。犯罪被害品を売買してしまうと、場合によっては持ち主へ無償で商品を返還したり、金銭で弁償したりしなければなりません。そのような事態を未然に防ぐためにも、古物商は下記の「防犯三大義務」を守る必要があります。

古物商の「防犯三大義務」

    1. 取引相手へ本人確認を行う義務(古物営業法第十五条第一項)
      古物の取引をする(買取り)際に、取引相手の住所・氏名・職業・年齢などを確認します。これらは運転免許証などの本人確認書類で確認します。対面でない場合(オンラインや宅配買取など)は、オンライン上で本人確認をしたり、本人限定受取郵便を使ったりするなど、法律で決められた特定の方法で行う必要があります。
    2. 不正品を申告する義務(古物営業法第十五条第三項)
      古物の取引をする(買取り)際に、買取商品に不正品(窃盗品、遺失物など)の疑いがあるときは、直ちに警察官に申告する必要があります。
    3. 帳簿等へ記録する義務(古物営業法第十六条)
      古物の取引をする(買取り・販売)際に、取引の内容を記録し、保存する義務があります。取引の年月日、古物の品目・数量、古物の特徴(メーカー、型番、製造番号など)、取引相手の住所・氏名・職業・年齢および本人確認の方法を記録し、最終記録日から3年間保存します。

特に本人確認については、取引によっては古物営業法だけではなく、犯収法(犯罪収益移転防止法)による確認義務も発生します。これに違反すると後述にある罰則を科せられる可能性があるので、古物営業を行う際には、この2つの法律をしっかりと理解する必要があります。
【引用元】古物営業法(e-Gov法令検索)

古物商が本人確認義務に違反した場合の罰

古物商が古物の取引をする際に必要となる本人確認ですが、本人確認業務を怠ってしまうと、取引相手への返還や弁償以外にも、以下のような刑事罰や行政処分を受けるおそれがあります。

刑事罰(警察による逮捕・罰金)

警察に検挙された場合、6か月以下の懲役、または30万円以下罰金のいずれか、もしくは両方

行政処分(営業の禁止・許可取消)

公安委員会(警察)から営業に対して、最大6か月の営業停止、古物商営業許可の取消し
(古物商営業許可を一度取り消されると、その後5年間は新たに許可を取ることができません。)

また盗品だった場合は、盗品等有償譲受け罪などの罪に問われ、10年以下の懲役および50万円以下の罰金が科せられる場合があります。
例えば、運転免許証の期限切れを見落とすなどでも違反になりますので、従業員への教育を含めて本人確認の方法を徹底する必要があります。

古物営業法による本人確認義務

古物営業法では、本人確認について下記のように定めています。

古物営業法 第三章(確認等及び申告)第十五条
古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、次の各号のいずれかに掲げる措置をとらなければならない。
第一号.相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること。
第二号.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けること。
第三号.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録であつて、これらの情報についてその者による電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいい、当該電子署名について同法第四条第一項又は第十五条第一項の認定を受けた者により同法第二条第二項に規定する証明がされるものに限る。)が行われているものの提供を受けること。
第四号.前三号に掲げるもののほか、これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定めるもの


古物商の防犯三大義務の「取引相手へ本人確認を行う義務」について定めた条文です。古物の取引をする(買取り)際に、取引相手の住所・氏名・職業・年齢を確認します。職業は買取申込書などに職業欄を設け記入や入力します。もしも、盗品が持ち込まれた際に「誰が持ち込んだか」を警察が追跡できるようにするために必要になります。
原則買取総額が1万円未満の場合、法律上は本人確認義務が免除されますが、1円でも本人確認が必要な商品があります。
【引用元】古物営業法(e-Gov法令検索)

1万円未満でも本人確認が必要な商品

古物の買取総額が1万円未満の場合は原則不要となる本人確認ですが、換金目的で万引きや盗難されることが多く、より厳しい取引管理が求められる下記の古物は、買取金額によらず本人確認が必要となります。

  • 書籍(漫画、雑誌含む)など
  • CD・DVD・BDなどのメディアディスク
  • ゲームソフト
  • オートバイや原付およびその部品
  • エアコンの室外機
  • 給湯器のヒートポンプ
  • 電線類(銅線など ※家庭用延長コード等は除く)
  • 金属製のグレーチング

また、古物営業法では買取りの対象年齢については述べていませんが、古物営業法第十五条で年齢の確認を義務付けている上に、都道府県の条例や民法によって、実質的に未成年からの買取りは制限されています。こども家庭庁のホームページでは、各都道府県の青少年育成条例で確認できるので併せて確認します。

【参照元】都道府県の青少年育成条例等(こども家庭庁)

犯収法による本人確認義務

犯収法および犯収法施行令では、貴金属などを取り扱う宝石・貴金属等取扱事業者の古物商や質屋を対象に、200万円を超える現金で取引をする場合に、本人確認の義務が発生します。
貴金属などとは「金、白金その他の政令で定める貴金属若しくはダイヤモンドその他の政令で定める宝石又はこれらの製品」が該当します。具体的には、金・プラチナなどの貴金属、ダイヤモンドなどの宝石、およびそれらを使用した製品(宝飾品、時計など)を扱う古物商や質屋が対象になります。
盗難した貴金属などを古物商や質屋が買取りして現金化しているケースがありますが、偽名による取引が行われないために、古物商による本人確認が重要になります。

古物商が対面で本人確認を行う際の主な方法

古物商が対面で実施する本人確認は、古物営業法と犯収法で規定が異なります。そのため、両方の法律の要件を満たす方法で本人確認を行うことが重要です。 古物営業法・犯収法で定められている、主な本人確認の方法は下記のとおりです。
【古物営業法】

  • 運転免許証や健康保険証などの本人確認書類を提示し、記録(コピー、書き写すなど)する
  • 本人が直接住所・氏名・職業・年齢を記載した書面を受け取り(もしくは、タブレット端末などに入力) 内容に間違いがないか本人確認書類を見て確認する

【犯収法】
<個人>

  • 運転免許証、マイナンバーカードといった、顔写真つきの本人確認書類を提示してもらい、記録(コピー、書き写すなど)する
  • 本人確認書類(健康保険資格確認書や住民票の写しなど)を1点提示してもらい、後日書類に記載されている住所に取引に関係する文書を転送不要郵便で送付する
  • 国民年金手帳、住民票の写しといった、顔写真のない本人確認書類を2点提示してもらう

<法人>

  • 法人の本人確認書類(登記事項証明書、印鑑登録証明書など)を提示してもらう
  • 本人特定事項(法人名称、本店あるいは主な事務所の所在地)の申告を受け取り、国税庁や法人番号公表サイトで公表されている情報との整合性を確認する

古物商が非対面で本人確認を行う際の主な方法

古物商が非対面で実施する本人確認には、「郵送」と「オンライン」による方法があります。2027年4月に大幅な犯収法改正が行われるため、改正に準拠する必要があります。

郵送で行う方法

郵送による本人確認は、犯収法の改定によって変更となりますが、現在は下記4つの方法が認められています。

    1. 本人確認書類2点を送付してもらい、転送不要郵便物を送付して住居の確認をする(2027年3月で廃止予定)
    2. 本人確認書類の写し1点と補完書類※1点を送付してもらい、転送不要郵便物を送付して住居の確認をする(2027年3月で廃止予定)
    3. 本人確認書類の原本1点、写真付き・ICチップ付き本人確認書類のIC情報の送信、専用ソフトウェアにて写真付き書類の写し1点(厚みや特徴など)のいずれかを送信してもらい、転送不要郵便物等を送付して住居の確認する(2027年3月で改正予定で、本人確認書類の原本1点、専用ソフトウェアにてICチップ付の本人確認書類のIC情報の送信へ変更予定)
    4. 本人限定郵便を送付し、受け取りの際に写真つきの本人確認書類を提示してもらう

※補完書類には、国税または地方税の領収証書や納税証明書、社会保険料の領収証書や公共料金の領収証書などがあります。また、どの補完書類も領収日付の押印や発行年月日の記載があり、発行から6か月以内であることが条件となります。

オンラインで行う方法

オンラインで本人確認を行う際には、原則として「本人確認時に、その場で撮影した画像(静止画もしくは動画)」を送信してもらうことが必須となります。具体的には、下記3パターンが挙げられます。

    1. 写真つきの本人確認書類の画像と本人の容貌を撮影した画像を送信してもらう(2027年3月で廃止予定)
    2. ICチップ付き本人確認書類のIC情報と本人の容貌を撮影した画像を送信してもらう
    3. マイナンバーカードのIC情報を送信してもらう(公的個人認証サービス(JPKI))

本人確認書類の画像を受け取る場合は、表面と裏面に加え、厚みなどの特徴も確認する必要があります。ただし、マイナンバーカードの場合は裏面に個人番号が記載されているため、裏面は送信を受けないように注意しましょう。
ICチップ付き本人確認書類のIC情報の場合、ICチップ情報の写真と容貌の画像から本人確認を行うため、ICチップ情報に本人の写真が含まれていることが必須となります。

そのほかの方法

古物商のホームページなどから買取申込書などに必要事項を入力してもらい、電子証明書や電子署名を使って本人確認を行うこともできます。

    1. 「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が発行した電子証明書(マイナンバーカードに記載されたもので個人番号の記載のないもの)」と、「電子署名を行った本人の住所、氏名、職業および年齢についての電磁的記録」の提供を受け取る
    2. 「公的個人認定法に規定する署名検証者が発行した電子証明書」と、「電子署名を行った本人の住所、氏名、職業および年齢についての電磁的記録」の提供を受け取る
    3. 電子署名を行ったメールの送信を受け取る

1の方法は、総務大臣が認定している、署名検証業務を引き受ける許可を得た民間事業者でしか行えないので注意が必要です。

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まとめ:古物商にとって重要な本人確認業務は専門サービスを活用しよう

古物の取引では、古物営業法や犯収法によって本人確認が義務づけられています。本人確認作業を怠ると、営業停止だけでなく刑事罰の対象にもなるおそれがあるため、古物商には確実に本人確認を行える体制が必要です。 本人確認には多くの方法があり、確認する書類も多岐にわたります。本人確認にかける人材や時間、リスクやセキュリティ面に不安がある場合は、本人確認業務をサポートする専門サービスを活用してみるのもひとつの手段です。 ヤマトシステム開発の「証明書類Web取得サービス」は公的個人認証サービス(JPKI)に対応したサービスです。 Web上で本人確認書類をアップロードして確認することができるので、古物商の本人確認業務を効率化できます。

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