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郵便(郵送)を活用した本人確認のメリット・デメリットを解説

郵便(郵送)を活用した本人確認のメリット・デメリットを解説

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郵便(郵送)を活用した本人確認のメリット・デメリットを解説

顧客などの本人確認方法は、犯罪収益移転防止法(犯収法)および施行規則の改正により、厳格化されていました。とりわけ2020(令和2)年4月からは、非対面での本人確認の要件が厳しくなっているため、従来の確認方法を続けていては業務負荷が高くなりがちです。リスクやコストを踏まえて業務の改善を目指すには、どのような方法があるのでしょうか。

この記事では、非対面での本人確認方法として「郵便を利用する本人確認」を取り上げ、その具体的な進め方とメリット・デメリットを解説します。


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郵便による本人確認とは

本人確認は、犯罪収益移転防止法 (以下、犯収法)により、特定事業者に対して義務付けられています。2008年に全面施行されたこの法律は、マネーロンダリング(マネー・ローンダリングやマネロンとも呼ばれます)や犯罪組織に対する資金供与を撲滅するために制定されました。犯収法については以下の記事で解説しています。



犯収法の施行規則(以下、犯収法規則)によって定められた本人確認の方法の中で、郵便による確認は非対面で行える本人確認方法の一つです。遠方にお住まいのお客さまでもご来社/ご来店いただくことなく本人確認できる手段として、これまでも多くの企業で実施されてきました。



郵便による本人確認は「身元確認」にあたります。郵便を実際に送ることで、お客さまが確かにその住所に居住しているかを明らかにし、架空住所を使った重複登録などの不正利用を防ぎます。

郵便による本人確認の方法

犯収法および施行規則に準拠した、郵便による本人確認は、「転送不要郵便」もしくは「本人限定受取郵便」で実施します。
犯収法に準じた郵便による本人確認方法4パターン

転送不要郵便を使う方法

転送不要郵便とは、送付した住所に届かない場合、差出人に戻るよう指定する郵便です。 書留郵便などにより転送不要郵便として送付した場合、郵便局に転送届が出ている住所であっても転送されません。その住所に居住していなければ受け取れないため、届いたということは、その住所にお客さまが確実に居住しているという証明になります。

お客さまから本人確認書類の送付を受け、お客さま宛に書留郵便などより転送不要郵便として送付する確認の方法は、主に以下の2つがあります。

(1)原本の送付を受ける(犯収法規則第6条第1項第1号チ)

お客さまが市役所など自治体から取得した「住民票謄本・抄本の原本」の送付を受け、取引関係文書をお客さまの住居宛へ書留郵便などで転送不要郵便物として送付する。

(2)写し2点の送付を受ける(犯収法規則第6条第1項第1号リ)

お客さまが本人確認書類の写し2点もしくは、本人確認書類の写し1点+現住所表記のある補完書類1点を組み合わせてで送付を受け、お客さまの住居宛に書留郵便などで転送不要郵便物として送付する。

取引文書を本人限定受取郵便で送る(犯収法規則第6条第1項第1号ル)

本人限定受取郵便は、お客さまご本人に限り、郵便物を受け取れる郵便です。基本型、特例型、特定事項伝達型の3つの種類があります。

本人確認には主として特定事項伝達型が利用され、受け取るためには顔写真付き本人確認書類の提示が必要になります。この特定事項伝達型における本人確認の厳格さは、犯収法規則に規定されている確認のレベルです。 配達を担当する郵便局に郵便物が到着すると、郵便局はその郵便物を留め置き、ご本人に到着通知書を送付します。ご本人は希望する受け取り方法、郵便窓口もしくは名宛人配達を連絡し、直接手渡しで受け取ります。郵便物に記載された名宛人以外は受け取れません。

JAFIC/警察庁 組織犯罪対策部
https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data/kaiseishiryo20181130.pdf

郵便で本人確認を行うメリット

従来、非対面で行う本人確認の主流として利用されてきた郵便を活用する本人確認には、次のようなメリットがあります。

初期費用が発生しない

郵便を利用する確認方法のため、通常の郵便料金に加えて、本人限定受取郵便料金や一般書留料金をプラスすればすぐに利用できます。システムの導入や開発の必要がなく、初期費用が発生しません。

どのお客さまに対しても実施できる

従来の郵便を使った方法のため、お客さまを選ばず実施できます。 お客さまの中にはネット環境が整っていない方や、オンラインでの取引に不安を感じる世代の方もいるでしょう。

一般的になじみのある郵便を利用し、すべてオフラインで完結する確認方法には、お客さまの環境に左右されることなく安心してご利用いただけるという利点があります。

郵便で本人確認を行うデメリット

このようにメリットもありますが、自社のサービスが全国的に普及し、お客さまも増加すると、郵便を使った本人確認は社内業務のひっ迫を招きかねません。

具体的には、郵便で本人確認を行うデメリットとして、次のようなものが挙げられます。

お客さまに負担がかかる

紙の情報をやり取りするため、本人確認書類のコピーや必要事項の記入など、お客さま側に大変な手間がかかります。その上、万一書類に不備がある場合には、再三の手間をかけることになり、面倒に感じるお客さまはサービス契約前に離脱してしまうかもしれません。

個人情報の管理が難しい

お客さまから郵送されてきた本人確認書類は、紙で管理しなくてはなりません。紛失や破損のないようファイリングし、その保管場所も確保する必要があります。 保管にあたっては個人情報保護のための管理ルールを策定し、厳守しなくてはなりません。

また、保管期限が過ぎたときや、お客さまの情報が更新され以前の紙データを破棄するときにも、管理ルールを厳守することが求められます。

業務コストが大きい

郵便を使った本人確認業務では、お客さまの数に比例して業務負担が大きくなります。 送付する書類の印刷、封入、本人限定受取郵便・転送不要郵便の発送を行い、お客さまより返送があれば、本人確認書類、契約書類の確認、書類不備の際はお客さまへの再送依頼、必要書類の再発送を行わなければなりません。

こうした細かい事務作業時間は対応数に伴って増えていき、人件費の増大となって事業を圧迫します。 そのほか、前述の個人情報書類の管理を行うためのセキュリティコスト、紙の情報データの保管場所コスト、書類廃棄の際の廃棄コストなども考えあわせる必要があります。

現在はオンラインでの本人確認が主流に

郵便を使った本人確認のデメリットを解決する方法として、オンラインでの本人確認方法が挙げられます。2018年の犯収法改正以降、非対面の本人確認方法としてオンライン確認も可能になりました。法律に準拠した手法を用い、スマートフォンやパソコンで本人確認書類をやり取りする方法は、手軽かつ安全な本人確認方法として金融機関をはじめとする特定事業者も多く採用しています。

郵便による本人確認は書類のやり取りに時間がとられ、申込みからサービス提供までに一定の期間が必要です。しかし、本人確認がオンラインで完結できれば、お客さまは申請に要する書類記入や本人確認書類の準備などの手間を省け、企業側は郵送や書類確認などの業務負担を大きく軽減できる上、サービス提供もスピーディに行えます。

また、本人確認書類はデータでやり取りを行うため、保管場所の問題も同時に解決できます。 現在は非対面の本人確認方法の中でも、オンラインによる方法が主流となっています。

まとめ

犯収法で特定事業者に義務付けられた本人確認のうち、非対面で行う方法の一つとして、郵便を使った本人確認について解説しました。郵便による本人確認では、転送不要郵便や本人限定受取郵便を利用することで非対面での身元確認を実施します。

この方法は、初期費用の安さやお客さまを選ばないといったメリットがある一方、業務上コストやお客さま側での面倒な手間などデメリットも多く見受けられます。犯収法に準拠したオンライン確認を取り入れることで、これらのデメリットを解消できます。 ヤマトシステム開発の証明書類Web取得サービスは、Web上で本人確認書類の回収・確認が可能です。

お客さまにとってもWebでサービス申込み後、時間や場所を限定せず、パソコンやスマートフォンなどから手軽に申請できますし、企業側にとっても本人確認業務の大幅な効率化につながります。 ご興味をお持ちの方は、以下のページより詳細をご確認ください。

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